【亜希菜のコラム vol.18】

 

獣帯

 

 text= AKINA IWAHASHI
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4月のHeizの交流会で久々にお話をさせて頂きました。

今回のテーマは「環境と人・・・対峙する変容」とでも言ったお話でした。

建築を空間環境という人を取り巻く背景として、しかも
その背景には等の人も含まれている主客合一の世界として捉えることによって
様々な関係性が見えてきます。

我々は常に創る存在としてありながら、同時につくられる存在でもあります。
それは次元を異にした関係性と言ってもいいほどに、単純な因果律を超えた問題も含んでいます。

我々の身体の中には惑星の振舞いの影として様々な臓器があり、それらは獣帯=横道12球の性格を付与されながら
息づいています。なぜなら我々はプラトン年(25920年)を掛けて獣帯を廻る存在でもあり、そのリズムは
大人の1日の呼吸階数=18回/分*60分*24時間=25920回として我々の中に刻まれています。

音楽の世界ではカール・ハインツ・シュトックハウゼンは獣帯をテーマに、まさしく「獣帯」という曲を作り
それをライトモチーフとして、変容と存在の世界を音響空間芸術として表しています。

自らの内に宇宙の存在を見ることによって、我々は世界とのつながりを実感せざるおえない世界は広がってきます。

それはまた、アルタミラやラスコーと言った古代の住居遺跡や非文明生活と言われる、集落やそこにある人の佇まいを見ることによても
意識されるもの、厳然としてあることが分かります。

しかしそれはクオリティーとして存在するので量として計ることのできない存在なのです。
クオンティティーとクオリティーはまた文明と分化、ディオニソスとアポロンの対峙として語られるものでもあります。

この料として推し量れない存在をどうとらえ、それが原型であるということを知ることによって
私たちの価値観は変容してゆかなくてはいけないと思います。

震災という悲劇を単なる悲劇として終わらせるのではなく、これを自らの中で止揚し
変容の機会として自らの内に生かし、持続的に出来ることとして行為してゆくことこそが
求められていることのようにも思います。

節約、我慢ではなく、自らの生活のリズム、ライフスタイルを変容し、
楽や便利、効率のみを追及する文明を追うばかりではなく、
自然になじんだ、精神的な成長を誘う分化的なスタイルを見出し実践することによって、
今回の事件を一人一人のが糧として未来を作る基盤とすることができるように思います。



またいつか、Heizでゆっくりとお話をさせて頂ける機会がありましたら
幸いです。



亜希菜


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