【今日から始める生活達人 vol.40】

『50 年 後』

text= Hatsue Hiraga
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 「2060年ショック」が駆け巡ります。50年後日本の総人口が8674万人と、現在の2/3
まで減ってしまうとの試算です。生涯未婚比率が5人に1人に高まる一方、5人に2人は65歳
以上で、その頃の平均寿命は男性84.19歳、女性90.93歳に達する超少子高齢の日本社会。



 総人口と世代バランスでみると、
2010年は生産労働人口63.8%に対し65歳以上人口割合が23%だったのが、
2030年には生産労働人口58.1%、65歳以上31.6%、
2050年には生産労働人口50.9%、65歳以上が4割に。
働き手が減ることで当然ながら税や社会保険料の負担者と受給者のバランスが大きく崩れ、
現在の制度、社会システムの早急な見直し再構築は避けて通れません。

◇ 病院のベッドはいつも満杯で入院もできない。
◇ 子どもたちは日本ではなく海外で就職。
◇ 結婚式場は斎場に衣替え。。。

 暗い未来を描いてみても、遅々として進まない改革を嘆いてみても始まりません。
一機に50年後に移るわけではないのですから、今を生きる全ての世代の個々人が、これからのラ
イフプランを覚悟と選択(自己責任)で真剣に考える機会とすべき時なのかも知れません。

□ 何歳まで働くのか
□ 引退後はどう暮らすのか、生活費はどのくらいに見積もるのか
□ 何処で暮らし、親や子との同居を考えるのか
□ 予測される一番の出費は? どんな備えが必要になるのか  etc

 国の制度や社会のあり様を見るマクロの鳥の目、家計や自分自身を見つめるミクロの虫の目、
潮流を捉える魚の目、3つの視点を持ち自らの今後を切り開いて行かなければなりません。










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 「かれ枯渇ない財布を持とう!」
 平賀FP事務所
  ファイナンシャルプランナー
平賀 初惠
 連絡先:TEL&FAX 03-5634-4339
E-mail: hiragafp@r-pridea.com

■平賀さんのHPです♪

■平賀さんが主人公の漫画です♪

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■バックナンバー

2008

2009

2月 VOL.9 混合医療と先進医療

3月 VOL.10 治療と目的

4月 VOL.11 インフォームドコンセント

5月 VOL.12 内なる名医

6月 VOL.13 手を握ってあげる

7月 VOL.14 ワタミの株主総会

8月 VOL.15 寿命さらに長く

9月 VOL.16 8月に思うこと

10月 VOL.17 供養の日

11月 VOL.18 医療のジレンマ

12月 VOL.19 重粒子線がん治療


2010

2月 VOL.20 がんの2015年問題

3月 VOL.21 つくられる病人

4月 VOL.22 保険に入れない

5月 VOL.23 ギリシャより・・

6月 VOL.24 所信表明演説

7月 VOL.25  勝手な解釈

8月 VOL.26  夏の憂鬱

9月 VOL.27  ビックマック指数

10月 VOL.28  遺留分減殺請求

11月 VOL.29  遠慮はいらない

12月 VOL.30  自己責任とは


2011

1月 VOL.31  『中小も大も日本企業は偉い』

2月 VOL.32  『日 本 の 企 業 B』

4月 VOL.33  『2つの企業の3.11』

6月 VOL.34  『がんではない。。。』

8月 VOL.35  『どちらにしても』

9月 VOL.36  『外 貨 投 資』

10月 VOL.37  『家 計 に 例 え る と』

11月 VOL.38  『生 命 保 険 料 控 除』

12月 VOL.39  『高 齢 社 会 の 影』


2011

1月 VOL.40  『絆』

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【今日から始める生活達人 vol.9】

『混合診療と先進医療』

text= Hatsue Hiraga / Feb.2009

 “Aコースの治療は4日で終わります。しかも身体的な負担も手術痕も副作用もありません。”

“Bコースは3ヶ月の入院、手術と化学療法の併用で、副作用と身体的な負担は否めません。”

もしも、あなたが診察を受けた医師からどちらにしますか?と、問われれば、大方の人は迷わず、

“Aコース!”と即答すると思います。 

ただし、Aコースは健康保険適用外の「先進医療治療」と「健康保険適用治療」の「混合診療」となり、自己負担部分がかなりあります。Bコースは「健康保険適用治療」です。

実際はAコース・Bコースの選択を医師や病院から迫られるようなことは少ないと思います。

何故なら、「先進医療治療」は特定の医療機関のみで行うことができる最先端の医療技術で、自分の病院で実施していない治療法を積極的に患者に話し、他の病院を紹介することは、たとえ公的な医療機関であっても稀だそうです。

「先進医療」とは、厚生労働省の認可を受けた医療機関でのみ、健康保険と併用で実施できる最先端の医療技術です。平成21年1月5日現在103種類,932の医療施設で実施されております。



国民医療費は毎年8700億円ずつ増え続け、総額は33兆円に達します。

医療費はすべて公的健康保険でカバーできればよいのですが、「先進医療」の種類も実施機関も毎月のように増えているのは、それが許される現状ではないからでしょう。

つまり、健康保険の3割負担部分も含め全額を自己負担とする「自由診療」ではなく、保険外の治療行為「先進医療=混合診療」の選択肢を増やすのが精一杯と、いったところなのでしょうか。

 民間の医療保険が公的医療保険のサブと位置づけるなら、自己負担するには大きすぎる医療費、

「先進医療費」特約が、メニューにあるのが当然。

“がんを患いましたが、入院も手術もしません。ただし重粒子線治療で300万円かかりました。” 

これ、前述のAコースです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今日から始める生活達人 vol.10】

『治療の目的』

text= Hatsue Hiraga
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 “治療の目的は何ですか?” セカンドオピニオン医師は患者に、そう問うのです。

ファイナンシャルプランナーが“貯蓄の目的は何ですか?”と、聞くのとはわけが違います。

患者が医師の前に座るということは、『先生治して下さい!』その他に何があるのでしょう。

  身内がガンと診断され、大学病院の主治医によると3ヶ月の入院による抗ガン剤治療が必要とのことです。そこで、主治医とは異なる治療法のセカンドオピニオンを訪ねました。


 “このくらいの大きさですと、痛みがでませんか?” “ありません。大丈夫です。”

 “何故、私のところに来られましたか?” “抗がん剤はいや。普通の生活を送りたいから。”

“入院すると普通の生活ではなくなりますよね。そのうえ、標準的抗ガン剤治療が始まると。。。”

身内のがんは、「根治」は難しい状況ですが、日常生活に障るほどの自覚症状はありません。画像でみるとステージWのガンはあるものの、現在のところ健康人と変わりなく、普通の生活が可能で病人ではありません。

“入院して治療が開始されるや、いきなり病人に変身させられてしまいそれが終生続きますよ。”


ガン治療として、「手術」「抗がん剤」「放射線」の3大治療がおおかたの日本の病院でおこなわれている標準的な治療ですが、ガン治療の目的となると、「根治」「緩和」「延命」等々。

最終的には患者自身の選択と覚悟、決断がせまられるようです。

それ以前に、ガンという病気への理解と3大治療以外の「様々な治療法」へのアプローチ、

標準的治療法との併用も有りかなと、個人的には思っております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今日から始める生活達人 vol.11】

『インフォームド・コンセント 』

text= Hatsue Hiraga
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 人間の体には毎日「がん」ができては消えしているそうです。

その中の一つ二つが大きくなって、検査に引っかかると、途端に「がん患者」となり、やれ手術だ、抗がん剤だとなります。でも、セカンドオピンオンいわく

“がんと言われるまでは、普通に生活していたのでしょう。”

“がん患者でも、普通に生活しながらの治療もできますよ。”

完治しないまでも「これ以上進行しない」「痛みが出ない」などの

治療法は可能だそうです。

                                            

「がん患者」が陥る罠のようなものがあるように思えてなりません。

●「がん」と診断されると、途端に落ち込む → 免疫力の低下

 当たり前ですが、ここはなんとか克服しなければならない第1の関門です。

 そのためには、周り(特に医師)の励まし、援助が何よりと思います。

●医師の言いなり →大学病院などのがん治療は「標準的治療法」とよばれるもので、残念ながら

個々の症状、年齢や体力、本人の希望に沿ったオーダーメイドの治療は難しいのです。医師の側からすれば患者とじっくり向かい合い、一人一人に適した治療法を探り合うような医療行為は一般病院では不可能に近いようです。

 

インフォームド・コンセントとは、納得の行くまで症状や治療法を説明し(自分で確かめ)治療への同意を得る(大切なことは医師とタッグを組んで自分が主体となった治療を受ける)ことです。

受け身ではなく、疑問点はとことん聞き、納得のできる治療法を探すことがなによりです。最も大切な命を守るのは自分自身です。医師への遠慮気兼ねはこの際は捨てましょう。

 「がん治療」は日々進化しており、様々な治療法の選択が可能です。


「セカンドオピニオン」「サードオピニオン」もおおいに活用すべきと思っております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今日から始める生活達人 vol.12】

『内なる名医 』

text= Hatsue Hiraga
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 病気を治すのは誰か?

虫歯になれば歯医者さん。風邪をひいたら内科に。心臓病で倒れると外科医かな。ガンはがんセンターが安心できそう。関節炎がひどくなると整形外科医で、更年期障害は。。。

そのために専門医がいるのですから、病気になったら医者に診てもらい1日も早く治す。

 でも、薬も医者もいない野生の動物は病気になったらどうしているんだろう。

そもそも、心臓病の熊さんや、ガンの狸さん、更年期障害で悩むお猿さんなんているのかしら。


ドイツのイセルス博士によると「動物には内なる名医が二人いる。食欲不振と発熱。」です。

動物は具合が悪くなると、何日も食べなくなりじっとしています。発熱は体内のデットクス作用。絶食も、発熱も共に体内酵素の働きを高め、自らの免疫力に働きかけます。

 人間も、ペットも同じですよね。風邪をひくと、食欲が落ち、熱が出るのはごく自然で、自ら治そうとする力が働いている証拠です。


病を治すのは第一義的には医者ではなく、本人、自らの免疫力です。

“毎日忙しいの。朝一番に生姜紅茶を飲んで体を温め、散歩をし、気功にも通って、人参りんごジュースも欠かさないし、お風呂も汗が出るくらいゆっくり入り、生姜シップもしているよ。”

がんの病になった、身内の日々の努力は並大抵ではないと思います。

“入院して医者任せは、ある意味無責任かもね。” そう言って、

医師と二人三脚、通院で抗がん剤治療を受けつつ、副作用に苦しむこともなく、日々元気に暮らしております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今日から始める生活達人 vol.13】

『手を握ってあげる 』

text= Hatsue Hiraga
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 「病気の人の手を握ってあげるんですよ」

「死んでいく人にできることってそれくらいじゃないですか」

伊坂幸太郎著「オーデュボンの祈り」は昨年の本屋大賞にも選ばれた小説です。

舞台は仙台沖にあるらしい150年間も外部と往き来のない「荻島」という孤島ですが、そこには

人の言葉を話すカカシ、嘘しか言わない画家、007ばりの殺しのライセンスを持つ「桜」という名の美しい男、そして“手を握ってあげる仕事”の百合さんがいる、なんともシュールな世界です。

 「病人は、百合さんが手を握っているとよろこぶのかな」「・・・でも、きっと安心すると思いませんか。自分が消えてしまうのならば、それって、誰かに見ていてもらいたいじゃないですか。

そうでなければ、自分がはじめからいなかったのと勘違いしちゃいますからね」

 

十分です。それだけで充分です。

病気でつらいとき、“額に置かれた手のやさしさ”以上の慰めの言葉があるのかしら。。。

最後の時に、手にしたいのは、“人の手の温もり”以上ものがあるかしら。。。

この世で手にした(できたと思った)何もかも、誰ひとり、何ひとつ、持って行くことはできないのですから。。。

“手を握っていてくれる人”がいることは、自分の「」を繋げられた安堵と、幸福感の中で

旅立てるのかもしれません。。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今日から始める生活達人 vol.14】

『ワタミの株主総会 』

text= Hatsue Hiraga
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  “21世紀、世界中で一番たくさん「ありがとう」を言われる会社になります。”

“額に汗した利益をコツコツと積み上げ、短期の収益ではなく、100年先から見た経営をします。”

日本の株主総会の中ではユニークなのでしょう。6月20日、ワタミ株式会社の株主総会は「ありがとうの日」と大書された両国国技館で5,000余名の株主が集まり、朝からお祭りのようです。

ワタミの有機野菜や、ワタミ弁当をはじめ、様々な手作りグッツや協賛施設の販店が並び、

ワタミのTシャツを着た若者達が元気に飛び回り、ミニコンサートやパネルディスカッション

ありで、総会開催までを盛り上げます。

 ワタミ(株)はカリスマ創業者渡邊 美樹社長がCEO(最高経営責任者)に就任し、32歳の若きCFO(管理会計責任者)、事業部ごとのCOO(最高執行責任者)からなる集団指導体制とし、 その理由を“創業者がいつまでも君臨し、結局は衰退して行くのを防ぐため”との説明です。

“介護事業部は、寝たきり、車いす、オムツ、機械入浴の4大ゼロと、認知症に取り組んでいます。”

“高齢者の高齢者による高齢者のための弁当宅配事業部は、お客様との接点である「まごころさん(配達者)」教育を充実して行きます。”“ワタミファームは株主様に配当を我慢して頂き、土作りに投資します”“カンボジアに建てた孤児院、学校は114校になりました。”等々の事業報告。

株主との質疑応答も延々と続き、終了はなんと両国国技館のクローズする6時になりました。


21世紀の社会や生活を形作る、あるいは影響を及ぼすのは政府(政治)もさりながら、

良くも悪くも企業の存在は軽微ではありません。

 株式投資をするということは、単に儲けるだけの手段ではないはずです。

株主として、投資先の企業を応援し、株式会社という公器が

生み出す利益をいかに社会に還元できるかを見守り、

意志表明することでもあります。

 ワタミの株主総会は「株主の至福」を味わえた日でもありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今日から始める生活達人 vol.15】

『 寿命さらに長く』

text= Hatsue Hiraga
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  寿命さらに長く


 日本人の平均寿命は女性86.05歳、男性79.29歳と更に長くなり、女性は24年連続で

世界一、男性は世界第4位です。(2008年厚労省「簡易生命表」より)

ちなみに、第1回統計(明治24‐31年)では男性42.8歳、女性44.3歳と「人生50年」でした。その後、第8回統計(昭和22年)では男性50.06歳、女性53.96歳と、50歳を超えたのは戦後です。昭和35年に男性65.32歳、女性70.19歳と、女性は10年余りで

70歳を超え、更に半世紀足らずのうちに女性の平均寿命は85歳に達しました。

「人生50年」だった頃の20代は何を考えていたのかな。

30代はどんな顔つきをしていたのかな。

40代は老後の暮らしの心配をしていたのかな。


「少子化」と「高齢化」が同時進行の日本では、『高齢期をどのように生きるか』と『少ない働き手で、高齢者をどのように支えるか』は、個人と社会の大命題です。

10年後、20年後、

どんな生活をしているのか、どんな生活がしたいのか。

親や子供達はどんな生活をしているのか、どうなるのだろうか。

ネガティブな事を考えても始まりません。今、できることをしておくだけです。

◇周りの人たちに迷惑をかけないためにも、今から「健康」を心がけたいな。

◇永い永い自由な時間「生きがい」「本当にやりたいこと」今から真剣にみつけたいな。

◇できる範囲で、今から「経済準備」もしておきたいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今日から始める生活達人 vol.16】

『 8月に思うこと』

text= Hatsue Hiraga
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  8月に思うこと


 お客様と一緒にキャッシュフロー表*を作っていると、思わずため息をつかれました。

“収入は年金だけなのに、食費以外にも毎月必ず出て行く固定費って、案外多いのね。”

健康保険に介護保険料、税金(消費税上がるのかな)通信費、マンション管理費、生命保険料・・

退職後の生活資金の確保は多くの方にとり、切実な問題です。

 『ゆとりある暮らしをしたい』

『子供や孫にもなるべく残したい』 でも、

『入院や介護状態になった時は大丈夫だろうか』

“永生きしたときのために、節約しなければね。”と、つつましく、節約、節約だけでも寂しいものです


毎月の携帯電話料が1万円とすると、年間では12万円、10年払うと120万円になります。

平均寿命まで払い続けると・・・携帯料だけでも、結構な額になりますよね。

 


 日本で一番売れている投資信託の保有者の多くは年金生活者です。毎月決まった分配金(配当金)があり、受け取った分配金は、年金の補てん、日々の生活費の一部になっているとのことです。

 例えば、100万円から出てくる分配金を毎月の電気料に、あるいは終身払いの医療保険料に、ある人は孫のお小遣いに、と、いった具合です。

 元の100万円は投資信託ですので、元本の保証はありません。仮に、10年後100万円が半分になっていたとしても、貯蓄を取り崩して行くよりは安心して使える、とのことです。


※収入と支出を1年後、5年後、10・20年後と時系列にお金の収支を時系列にをの流れを見て行くもの

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今日から始める生活達人 vol.17】

『 供 養 の 日』

text= Hatsue Hiraga
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9月のカレンダーを見ていると、2日は【靴供養の日】4日は【櫛供養の日】とありました。

他にも日本には【針供養】【筆供養】【人形供養】○○供養の日って、ありますよね。

日頃愛用している、あるいは収入の糧として、なくてはならない道具類に感謝を込め、

ねぎらう日なのでしょう。

  供養とは仏教の用語で、“自分以外の者に対して、見返りを考えずにつくし、自分も他人も

共に救われてゆくこと。物を供えるのは、心配りを具体的に現わす方法のひとつ”とありました。


  100年に1度とまで言われた金融危機。その引き金を引いた米証券リーマン・ブラザースは

自己資本の30倍もの負債を背負い、サブプライムローンの組みこまれた住宅債券投資に走り、

1年前の9月15日破たんし、余波はまるでドミノ倒しのように世界中に及びました。

 今考えると、誰もが『そんなバカな!』と断言できるような、ビジネスの暴走を何故止められなかったのか・・・。

『お金』という私達の生活上、必要不可欠ではあるが、本来は『道具』であり、目的ではないはずのものが、『金儲けが目的』となり、マネーが魔物になってしまいました。


彼岸には先祖や亡き人を供養します。日本には感謝を込めて供物を携え、今ある己と向かい

合い、心を込めてお墓参りをする良き習慣があります。

9月15日は世界【お金供養の日】なんて、いうのはどうかしら。。。

“お金とは、自分以外の者に対して、見返りを考えずに使い、

自分も他人も共に救われてゆくもの。”

お金ともこんな風に係わって行けたらなぁ・・・

秋の彼岸を前につらつらと思ってしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今日から始める生活達人 vol.18】

『医療のジレンマ』

text= Hatsue Hiraga
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日本の勤務医師は183,823人(含む非常勤)一方、1日平均外来患者数は1,481,322人です。

(平成19年厚生労働省:医療施設(動態)調査・病院報告の概況)

単純に計算すると勤務医一人が一日で診る患者は約8人となり、「3時間待ちの3分診療」なんて、何処の話?と、病院で目にする光景とはずいぶんかけ離れたように思われます。

 ところが実際は、開業医あるいは勤務医が1日に外来で診る患者は平均でおよそ50人位だそうです。

(この方が納得ですが)この数は米国の約5倍、日本の医師一人が年間に診察する患者数はおよそ8,500人とOECD平均の2,400人に比べ約3.5倍の患者を診ているとのことです。

ちなみに米国では30分診療が基本と言われております。

日本では圧倒的に外来担当医師が少ないのが現状です。

 理由は、日本の外来診療単価は平均で7,000円程度なのに対し、

米国は6万2千円、スウェーデンでは9万円位という診察料金の違いにあるのかも知れません。

日本では薄利多売でないと医療経営は成り立たない構造になってしまったのでしょうか。。。


 ところで、1日50人の患者の内訳ですが、大概の患者は慢性疾患、あるいは医者がいなくても治り、命にかかわることがない患者だそうです。

別な見方をすれば、病院と医師にとっては、医療事故によるトラブルや、命を委ねられるようなストレスの少ない患者、リピーターとしてずっと来てくれる「上得意患者」かもしれません。

 患者一人当たりの診療時間を長くし、医師も患者も納得の医療とするには、「上得意患者」さん達は生活習慣病予防に努め、「すぐ病院」さん達にはちょっと我慢してもらうのがよいのでしょう。

でも、そうなると、今度は病院が儲からず、医師も重篤な患者ばかりでますます疲労困憊。。。

“せめて診療報酬を欧米並みにして、じっくり患者と向かい合いたい!”と、叫びたいところなのでしょうが、こちらの方がより困難なのでしょう。

医療のジレンマは続く。。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今日から始める生活達人 vol.19】

『 重粒子線がん治療 』

text= Hatsue Hiraga
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今や日本は男性の2人に1人、女性の3人に1人が「がんに罹患」し、死亡原因の第1位を占めるに至り、その治療法としては「手術」「化学療法(抗がん剤)」「放射線治療」が主です。

「重粒子線がん治療」なんとも重々しく、難しげですが、体への負担が少なく、特に手術の困難な部位に発生した難治性のがんに対しても高い治療効果が認められるなど、世界が注目する最先端の放射線治療法です。

放射線治療とは放射線で細胞核の中のDNAに分子レベルの傷をつけ、それ以上細胞分裂ができないようにして、がん細胞を消滅させます。

重粒子線が他の放射線治療と異なる点は、がんの病巣のところだけを直接攻撃でき、がん細胞だけに強い効果を発揮するので正常な細胞に影響を及ぼしません。

手術のように取り除くのではないので欠損がなく、また抗がん剤のような副作用もほとんど見られないとのことです。

 「重粒子線がん治療」は世界に先駆け放射線医学総合研究所(千葉県稲毛区)が開発実用化し、治療は1994年の開始以来5000例に及び、高い治癒率をあげ、

2003年には「先進医療」に指定され技術的にも年々進歩し、わずか1回の照射で完治するがんもあるとのことです。

 「今まで治らなかったがんを治す」「体にやさしい」「治療後の負担がない」など、良いことずくめのがん治療のように思われますが、課題も残ります。その第1は高額な治療費です。

健康保険適用外のため314万円の治療費用は全額自己負担となります。また、患者自身の負担に加え国費負担も多額に及ぶため、転移(複数個所)のがんは対象となりません。

第2は重粒子線治療施設が現状全国に2か所だけで、世界的にみても他にはドイツと中国に1ヵ所ずつあるだけです。

重粒子線治療装置は面積がサッカー場に匹敵するほどの巨大なマシーンで、1機当たりの建設費用も100億円を超えるため、健康保険の適応となり全国民が平等に治療を受けられるようになるには時間がかかりそうです。

けれども、普及のための小型化や次世代システムの研究開発は着実に進んでおります。

何より、日本発の治療技術であり装置、技術者などの先進性においてはリードし、それこそ国家的な成長戦略の一旦を担えるがん治療法ではないでしょうか。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今日から始める生活達人 vol.20】

『 がんの2015年問 』

text= Hatsue Hiraga
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「がんの2015年問題」は身内にがん患者のいる私には看過できません。

現在「日本人の2人に1人ががんに罹患し、3人に1人ががんで亡くなる。(死因のうち1/3ががん)」それが、2015年には「3人に2人(70%)ががんに罹る。」とあります。

現在300万人いるといわれるガン患者は2015年には540万人になると推定され、がん医療費は全医療費の約1割、2兆円以上です。がんによる平均入院日数は約34日と年々短縮化の傾向にありますが、がん患者のうち4人には1人は入院外の治療で、更に、適切な治療を受けられない「ガン難民(いやな言葉ですね)」が約60万人いるといわれております。

一方で、がんの早期発見に繋がる診断技術の向上や、「重粒子線治療」を始めとする先進医療によりガン治療は大きく前進しております。

ガンは個人や個々の家庭の対処だけではなく、正に国民的な取り組みを必要とする課題です。

     

リスクマネジメントとは、「予想との乖離」をできるだけ小さくするための管理手法です。

将来ある程度の確率で起こりうる可能性のある不測の事態への対処はしておきたいものです。

ガンに対する備えは、経済準備だけでなく、日々の健康管理、ガン検診の受診、ガンと診断されたときに適切な治療法を選べるくらいの若干の知識も必要と感じております。



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今日から始める生活達人 vol.21】

『 つくられる病人 』

text= Hatsue Hiraga
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生命保険に加入するとき、たいていの場合「健康告知」や医師による「健康診断」が必要です。
この頃、この保険引き受け時の診査基準ハードルが高いのか、あるいはいわゆる病人が増えたのか、
保険加入診査は結構難関です。

“ちょっと胃炎があって市販の胃薬を飲んでます。”
“突発性難聴になって。。”
“痔主だけど、別に支障はないよ。”

完全に加入できません。というのではなくても、診断書の提出や一定期間とはいえ、
既往症・現症の部位は保障の対象とはしません、との条件が付くのは気の重いものです。
“高血圧といわれた。”“LDLコレステロール値が高め。”“血糖値が130rdl”となると
、 保険会社は更に身構えてしまいます。
そもそも、保険会社が契約を引き受ける際の数値基準は本人が健康だと思っているものとは
異なります。

今、多くの保険会社が基準としている「高血圧の正常範囲は140oHg〜90oHg」*ですが、
これは2000年に「160oHg〜95oHg」だったものが引き下げられた結果決められた数値です。
この引き下げにより一挙に高血圧患者が3000万人!出現したといわれております。
また、日本糖尿病学会は糖尿病数値を1999年にそれまでの基準値140rdlを126rdlと引き下げ、
結果100万人の糖尿病患者が出現しました。
これに倣い保険会社も空腹時血糖値は110rdl迄*を引き受け基準としました。
(*保険会社により多少数値は異なります。)

 血圧150oHgの人は年齢も体格も関係なく、高血圧患者?
 血糖値が127rdlになると、即糖尿病患者になる?
尿酸値基準も保険会社は7.5rdlだから9rdlの人は加入が難しい。。。?
 データーや数値は一見説得力がありそうですが、その範囲から外れてしまうと
all or nothingなのは何ともやるせないですし、基準値はあくまでも基準であり
個体差はありますよね。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今日から始める生活達人 vol.22】

『 保険に入れない 』

text= Hatsue Hiraga
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 米国で自営業になろうとしたら、最初に最小限クリアーしなければならない最大の壁は、
民間の「医療保険」に入れるか否か。何しろ独立するときの挨拶が「保険料払えるの?」
高齢者や低所得者以外で企業に属さない中間層(約4600万人)の人達が自助努力で払う、
民間の医療保険料は家族で月額10万円以上と聞きます。


米国の民間医療保険は日本の医療保険のように入院したら、手術をしたら幾らではなく、
日本の健康保険のように、掛った医療費総額の何割を民間医療保険でカバーするかで保険料が決まります。
つまり、先進国では当たり前の国家が担う健康保険制度の大部分を民間保険会社が請け負います。

“先天的な障害を持つ息子は保険に入れない”
“以前ガンになったので、失業したら2度と保険に入れない”
“治療費が限度額を超えたので保険会社に支払いを拒否された。保険会社は医者の提示した治療と
は別(安価)な治療法を要求し、従わなければ支払いを拒否してきた”云々

『民間の保険会社』は国家(行政)が運営する『健康保険制度』とは異なり(公平性を保つためとし)
加入者を『危険選択』し、保険金支払いも利益が損なわれない範囲となってしまいます。
オバマ大統領の(というよりは、1世紀に及ぶ米国の懸案)医療保険改革法案が3月23日に成立しましたが、
日本の皆保険制度とは異なり改革の一里塚のように思われます。


日本でも今年4月から商法が改定され、保険契約に関するルール「保険法」が新たに制定されました。
加入者保護では前進ですが、加入に至る『危険選択』は残ります。
例えば、以前にガンなった、喘息の既往症がある、定期的な通院が必要などの人の加入は相変わらず難しいのが現状です。
それでも『無選択型保険』に進歩がみられるのは朗報とみるべきでしょう。






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【今日から始める生活達人 vol.23】

『 ギリシャより・・ 』

text= Hatsue Hiraga
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 労働者の4人に1人は公務員。毎年昇給し、35年務めて58歳から年金が貰え、しかも年金には相続権がある。
ところが、公務員以外の労働者の所得は低く、所得格差は開くばかり。
そうなると、真面目に税金を払うのはバカらしいから、脱税やアングラ経済が状態となり、徴税率も低下。
やがて、国家財政がもたなくなり、公務員の昇給凍結と賞与はカットから廃止へ、人員整理も。
   更に年金受給年齢の引き上げと受給額の30%削減、付加価値税(消費税)は19%から23%に引き上げ。
緊縮財政は国会可決されたものの、これに反対し国民の1/4が連日のデモ。。。

 遠い南欧の国ギリシャで起こっていることは報道されるだけでは分かりにくいものですが、
“何故、これほどになるまで?” 渦中の国民以外は誰しも首を傾げたくなります。
「EU内で最も腐敗した国のひとつ」と囁かれるギリシャは、現首相家と相対するもう一方の
政治家ファミリーが交互に政権を担い、“自らの特権と、政権維持を図るために政権交代のたび毎に官僚公務員を増やし、
公務員優遇とバラ撒きを競った”結果、国家財政は破綻の危機に陥り、それがギリシャの国債を持っているユーロ加盟国まで波及し、
せっかく回復基調にある世界経を震撼させました。

 ◆ボーナスはなくなり、毎年上がっていた給料は凍結どころか、失業の恐れも。。。
 ◆3月に上がったばかりの消費税がまた上がる。。。
 ◆年金はどうなるのだろう。。。

“私たちじゃない。政治家が悪い”と、抗議デモもしたくなります。
それほど、ギリシャの財政再建は非情なものになるのでしょう。でも、それが出来なければ。。。

 返済の見込みのない借金は必ず行き詰り、
そのツケはいつ誰が払うのかしら。。。
そうそう、彼方の国の借金の何倍もある
○○はこんなにのん気でいいのかしら。。。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今日から始める生活達人 vol.24】

『 所信表明演説 』

text= Hatsue Hiraga
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 新首相の打ち出した「強い経済・強い財政・強い社会保障」これこそは国民にとって、
 豊かさの実感であり、そんな日本が実現できたならと願わずにはいられません。
ところが現実は“失われた20年で国民は閉塞感と自信を失い・・・”と首相自らが認める通り。

(*株価は1989年の最高値の4分の1、IMD(国際経営開発研究所)が公表した「国際競争力ランキング 2009」では、
国際競争力も57カ国中総合で17位。
特に「法人税率57位」「**対内直接投資ストック56位」「一般政府赤字56位」「起業家精神54位」「財政状況52位」「政府の効率性40位」と、
20年前“アジアの奇跡、Japan as No1”とまで言われた経済財政の凋落が気になります。
政府は、思い切った改革でこのような局面を打開できるのでしょうか。。。)


とは言え、“企業は社員をリストラ出来ても国は国民をリストラできません。” 然り。
急速に高齢化が進む日本において、逃れられない国民はどのようにしたらよいのでしょうか。


現在65歳のご夫婦のうち、
どちらか一方が80歳迄生存する確率は 93.8% です。

では、
どちらか一方が90歳迄生存する確率は 何%だと思いますか。
どちらか一方が95歳迄生存する確率は 何%だと思いますか。
 少なくてもどちらか一方が90歳迄生存する確率は60%です。
“人生90年時代”90歳までの将来設計は国任せだけではなく、
ひとり1人が今から、今できることをしておくことが、その集積が、
 まわり回って「強い経済」と「将来不安のない国」に繋がると信じたいのです。



(*日本のストック(資産)がそれだけ目減りしている。
 20年前の株価を上回っていない国はないらしいとのことです。)

(**外国投資家による会社設立、経営参加を目的とする株式取得及び長期の資金貸付など。
 海外からの直接投資は新たな手法の技術や経営をもたらし、雇用機会の増大にもつながる。
 また、海外に拠点を移す企業が増え、産業の空洞化が進むなかで地域経済再生にとっても、
 外国企業の進出の意味は大きく、思い切った規制緩和が望まれるのですが。。。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今日から始める生活達人 vol.25】

『 夏の憂鬱 』

text= Hatsue Hiraga
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 トヨタ自動車は「レクサス」など8車種のリコールを国土交通省に届け出ております。
米国でのリコールの折、国内車は大丈夫とのことでしたが、今回の欠陥部分は「エンジン」と
正に車の心臓部分で、それも「クラウン」「レクサス」とトヨタの誇る旗艦車種での欠陥です。
米国でのリコールの際は確か「ブレーキ」だったはず。技術的なことは私には分かりませんが、
世界企業のトヨタが技術の粋を集めた高級ブランド車の「エンジン」や「ブレーキ」の不具合が
何故、事前に分からなかったのでしょうか。。。

 私ごとですが、先月とても痛い思いをしました。ヘルペス(帯状ではなく単純疱疹でした)です。
当初目の奥が痛く、瞼の腫れもあり、某医大の眼科クリニックに駆け込みましたが、異常なしとのことで、
脳神経科に行くよう指示され、CT検査をしましたがやはり異常なしとのことでした。
「でも、我慢できないほど痛いんです。頭蓋骨の外側なんです。目の周りも熱っぽいんです。」
私としては最大限言葉を尽くして状況を訴えたつもりでしたが、痛み止めを処方されただけでした。
その痛み止めも2日後には効かなくなり、日曜日に救急外来に駆け込みました。若い研修医のような医師が丁寧に話を聞き、
身体全体を診察し、触診し「もしかしたら、神経節の内側に出た疱疹かも。。」
ようやく病名が判明し、皮膚科での治療が始まり、痛みは薄皮を一枚ずつ剥ぐような快復状況です。
 “今の医者はね、患者の顔なんか見ないよ。見るのは検査結果とモニターだよ”
本当でした。『お願い触って診てよ。本当に痛いのよ。熱っぽいでしょう。』
でも、専門医達からの触診もなく、信頼感や安心感も乏しく、心細く寂しい限りでした。
若い医師の探るような「医者の手」の診察と、確認を求める問いかけ、真摯な眼差しに救われました。

 高度な技術を要する車作りは部品ごと、専門家ごとに作業は細分化され極められ、
その集大成が一台の車として完成するのでしょう。でも、もしかしたら、
高度に細分化されたところに落とし穴があるのかしら。。 丁度、医者が身体全体を診ることなく、
自分の専門パーツの異常なければ問題なしと言わざるをえないように。。。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今日から始める生活達人 vol.26】

『 夏の憂鬱 』

text= Hatsue Hiraga
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来年度の予算編成作業が始まり、政府は各省庁の概算要求に対し1割削減を求め、歳出の見直し
を打ち出したのは良いとしても、折角の捻出分をマニフェスト関連費に回すのでは、歳出の半
分近くを新規発行の国債に頼る構図は変わらず、財政再建にはほど遠いのでしょう。
2009年度の「国の借金」総額は882兆円余、2010年度単年度の新たな借金は44兆円余。来年度は
「新規国債の発行を44兆円以下に」との掛け声も何とも浮世離れしたものに響きます。

国の財政を家計に例えるなら、
年収374万円の家庭が、家計を維持するためには年間923万円が必要なため、新たに443万円の
借金をしなければ家計が回らない、とんでもない状況です。(2010年度の概略) そうして毎年借金
を繰り返したため、今や借金は8,820万円!まで膨らみました。一方で借金は返済しなければなり
ませんので、923万円の2割は返済(国債償還と利払い費用)に回ります。残りの支出の中で最大のも
のは健康保険と年金で約3割を占め、地方交付税や公共事業費が続きます。

 日本の国債の94%は国内で消化されているので、ギリシャのようなソブリンリスク(財政不安
 による国債の暴落や信認問題)はないだろうと言われておりますが。。。

 銀行や保険会社、年金基金が保有している国債は国民の預金や保険料、年金の積立額です。
つまり、財政赤字は(海外からは)高齢化日本の最大の武器とみられている個人金融資産で支えてい
るのです。2012年度から団塊の世代の年金支給が本格化し、預貯金の取り崩しも始まるとみられて
おります。銀行や保険会社にあるお金がどんどん減って行ったなら、年金の支払いが増えて行ったなら、
銀行や保険会社は国債を売るのかしら。。。

 そもそも、
借金返済のために、他に使えるお金がどんどん少なくなり、年収より多額の借金をしないと家計が回 らず、またぞろ自転車操業を繰り返す家庭なんてあるのかしら。。。
年収の20倍もの借金なんて、普通に考えても異常ですよね。




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今日から始める生活達人 vol.27】

『 ビックマック指数 』

text= Hatsue Hiraga
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 日本マクドナルドの「ビックマック」はつい先日まで期間限定で200円!
この値段は1971年創業時の価格と同額で、通常より3割も安く、身近なデフレ実感と言った
ところです。(オーストラリア産の牛肉パテが円高で安くなったからかな?)
 「ビックマック」は世界中で買えることから、同じ物を買うとしたら、いくらで買えるかという、
「購買力平価」を見るのに適していることから「ビックマック指数」として有名です。7月時点の
「ビックマック」の値段は日本320円、アメリカで買うと3.73j、ユーロ圏では3.38ユーロ。
勿論、米国やユーロ圏のマックのお店で直接日本円で「ビックマック」を買うのは難しいでしょう
から、円をドルやユーロに代えて買わなければなりません。
 では、「ビックマック」を日本と同じ値段で買うとしたら為替レートはいくらなら釣り合うのか。
            日本     320円             
            アメリカ → 320円÷3.73ドル≒85.79円 
            ユーロ圏 → 320円÷3.38ユーロ≒94.67円 
 現実の為替レートはどうでしょう。円高・円安は(昨日に比べてや昨年同時期と比べるとなど)
相対的なものです。為替相場は短・中期では金利差や貿易決済など様々な要因で動きますが、長期
的には2国間の物価変動(インフレ率)を調整した「購買力平価」に近づくと言われております。
仮に米国の「ビックマック」が3.73jのままで、日本の200円が続いたとすると、適正為替レ
ートは53.62円とになります。(1jの「購買力平価」は53.62円)
デフレになるとお金の価値が高まり、円相場は上昇しますが、外貨収益は減り景気が悪くなり、
益々デフレが加速するデフレスパイラルの罠が待ち受けます。
「ビックマック」ひとつで見ることはできませんが、日本がこの先もデフレが続く、加速




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今日から始める生活達人 vol.28】

『 遺留分減殺請求 』

text= Hatsue Hiraga
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text= Hatsue Hiraga
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“実の息子から遺留分の請求をされています。。。”
目の前の相談者Yさんは居心地悪そうに、淡々と話されました。
Yさんは、ご主人が亡くなり奥様と3人の子供が相続人となりましたが、残された財産は事業
に使っていた店舗と障害者の二女と暮らしている住まいだけ。長女からは父親の相続について要
求は無かったのですが、海外に住んでいる長男は「遺留分減殺請求」をしてきたとのことです。
「遺留分減殺請求」とは相続にあたり、法律で定められた相続人が最低限権利として受け取るこ
とのできる遺産を取り戻すことです。
Yさんの場合、法定相続による分割では、
奥様はご主人の残された全財産の1/2を、
子供達は残りの1/2を3人で分けることになります。
長男は本来の相続分として1/6を受け取る権利があります
が、生前に遺言により「全財産を妻に相続させる」等の指定
があれば、本来の相続分1/6ではなく、その半分1/12が
遺留分となります。
ご主人に遺言書は無かったのですが、長男はせめて遺留分相当位は欲しいとのことです。
 ところが、店舗は売に出しているが売れず、住まいは夫の実家からの借家だったため
ご主人の死亡を期に買い取りを迫られ応じたため、現金が残らないとのことでした。
“何とかやっていけると思っていたのに、遺族年金もなくこれからどうしたものか。。。”
 Yさんのように相続をめぐる不足の事態は少なくありません。家族間(相続人同士)の十分な
意思の疎通と対策は元よりですが、いつも思うのは、まとまったお金ほど出て行くな〜。
 必要なのはストックの資産(まとまったお金)からフロー(年金のように定期的に入って来る
お金)を生み出す仕組みなのです。






 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今日から始める生活達人 vol.29】

『 遠慮はいらない 』

text= Hatsue Hiraga
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【セカンドオピニオン】という言葉は一般的にずいぶん聞かれるようになりましたが、
“主治医の先生に言い出しにくい”“セカンドオピニオンをどう探すの”と、実際の活用は、
まだまだ今ひとつ広がりに欠けるようです。

 病気になったとき、慌てて駆け込んだ最初の病院で“本当にこの治療法が正しいの?”と、
不安を抱えたままでは、主治医との信頼関係も築けませんし、治療を受けるにしても納得し
たうえで安心して望みたいものです。 そもそもセカンドオピニオンの目的は、主治医との良好な関係を保ちつつ複数の医師の意見
を聞くことにより、最適な治療方針を主治医と共に判断して行くことにあります。
結果として、治療法の変更や転院に繋がるとしても、決して主治医を変えることや転院が本
来の目的ではありません。
それに、セカンドオピニオンの活用は病院や主治医に対してもきちんとメリットがあります。

◎ 他の医師の意見を聞くことで、誤診や医療過誤をめぐるトラブルを回避できる。
◎ 患者の病気や治療法に対する理解が深まることで、患者との信頼関係が築かれる。
◎ 診療報酬が加算される。(診療情報提供料(U)500点)

 もう一つの課題「セカンドオピニオンをどう探すか」は、近年大学病院やがん専門病院で
はセカンドオピニオン外来が開設されておりますし、インターネットでは地域毎、疾病毎の
セカンドオピニオン協力医リストの掲載もあります。また、生命保険会社によっては医療保
険やがん保険加入者に対する【セカンドオピニオン紹介と利用料無料のサービス】が付帯さ
れております。  
(原則、医師の紹介状のないセカンドオピニオン相談料は全額自己負担となります。)

 セカンドオピニオンは「患者となったときに安心して治療に専念する」ための
権利です。医師や病院に気がねすることなく、納得のゆく適切な治療法を選ぶ
ためにも、遠慮はいらない!


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今日から始める生活達人 vol.30】

『 自己責任とは 』

text= Hatsue Hiraga
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“69歳は厄年かしらね・・・” 
目の前の相談者を襲った災厄は金融資産が半分になってしまったことでした。

 4年前退職金が銀行口座に振り込まれ、銀行から勧められ退職金の90%で投資信託を購入
しました。その投資信託が4年の間に半減(金額にして1000万円弱)してしまったのです。
相談者がそのことを知ったのは4年後、銀行から呼び出され(相談者の言葉です)随分評価
損が出ておりますがどうしますか。と、言われた時でした。

 “評価損?” “キツネにつままれたよう” “さっぱり分からない” “まさか銀行に預けた
お金が減るなんて・・・”相談者の口から出てくる言葉は困惑と疑問符ばかりです。  

 相談者の依頼は一緒に銀行に行って欲しいとのことでした。
“そもそも投資経験の全くない人にアクティブ運用や新興国株式、REITばかりを勧められた
理由は?”“債券は1本もないですね。どんな経緯で退職金の10%が普通預金で、他は全部
ハイリスク商品になったのですか?”いくら問いかけても答えは返ってくるものの事情は変わ
りません。大きな病気をしてお金を使ったと思い諦める。今すぐ全部解約したい。という、相
談者を制し、様子を見ながら整理して行くことになりました。

 投資は自己責任と言われますが、自己責任を問えるのは、十分な説明がなされてこそ、です。
銀行という大看板を前にすると、ある種のスイッチ(例えは悪いのですが、振り込め詐欺の被
害者の心理に近いのかも・・・)が入ってしまうのかも知れません。受付窓口から奥まったブ
ースの心地よい椅子に案内され、お茶も出てくれば上席者も明るい笑顔で挨拶に来て、となる
と、商品やリスク説明よりも、銀行と言う信用力が全体を支配してしまう。。。

 “まさか銀行に預けたお金が減るなんて・・・”
以前悪質商法の講義をしていたときに、「自己責任とは、自分以外の全てを疑え」ですよ。

  「本当に怪しい人はあなたの隣人かも知れませんよ。」極論したのを思い出してしまいました。




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今日から始める生活達人 vol.31】

『中小も大も日本企業は偉い』

text= Hatsue Hiraga
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 靴下を洗濯するときの困りごとは、ゴミがつき毛玉になることでした。ところがこのゴミ問題
を見事にクリアーしたのが100円ショップの洗濯ネットです。ネットに浮き袋が付き上の方で漂
い、他の洗濯物と混じりません。

 また、ファスナー部分の素材が柔らかいものに改良されたり、ファスナー自体を覆うようにし、
洗濯物を傷めない工夫がされたりと、たった100円の洗濯ネットも日々進化改善しています。
 余分な機能を付け、かえって使い勝手を悪くしているモノや、不必要なサービスで値段を吊り上
げている商品が多い中、100円で進化を続け、頑張っている洗濯ネットは偉い。凄い!
 
 日本ではあまり見かけなくなった「蚊帳」ですが、マラリアで年間100万人が死亡するアフリ
カでは必需品。このマラリア感染防止に日本の「蚊帳」がWHO(世界保健機関)から推奨され、
各国政府と連携し、マラリア防圧に貢献しております。製造しているのは住友化学(株)、現、米倉
経団連会長の会社です。
独自の技術で5年以上防虫効果が続き、マラリア感染症防止に効果があるとのことです。「蚊帳」
の製造技術を無償でアフリカ企業に供与し、現地生産を通じ、雇用の創出、地域経済の発展にも取
り組み、収益の一部はアフリカの教育支援に役立てて頂いている。
「事業は自社の発展のみではなく、社会にも貢献するものでなければならない。」(米倉会長談)

      日本人には、日本企業には何かがある!!
      「掛け値なしの健気さ」「細やかさ」がある。
      大丈夫、日本は蘇る。頑張れる。






 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今日から始める生活達人 vol.32】

『日 本 の 企 業 B』

text= Hatsue Hiraga
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 かつて、液晶テレビで海外シェア1位のシャープでしたが、韓国メーカーのサムスン、LG電
子に追い上げられ今年は4位に後退し、韓国勢が「世界市場を制覇する日も近い」。。。
発電時にCO2を発生しない太陽電池は世界的な景気後退でも需要が拡大しており、かつて世
界首位を狙う勢いの日本勢(シャープや三洋電機、京セラ)はシェアを落とし後退を続ける。。。
 “かつて”がつくのは何とも残念無念と言わざるをえません。

 何故、差がついてしまったのか?   大きな理由は2つです。

 一つは、国家的な取り組み、支援の違いです。
 〜韓国の法人税率はおよそ24%。税率の違いでサムスン電子はシャープより年2千億円分の余
裕資金があり、・・・20年までに売上高を4倍にする経営計画を固めた。・・・韓国政府が欧州と
結んだ自由貿易協定では薄型テレビで14%の関税がなくなる。GDPは3%上がるという。グロ
ーバルな勝ち組は国内雇用も増やしやすい。「国際的な企業間競争ができる環境をつくってほし
い」(新日鉄 三村明夫会長)日本経済新聞 12月7日朝刊より〜

もうひとつは、不思議の国日本。(海外からはそう映るらしいです)
国債残高がGDP(国内総生産)の2倍に達しようとし、危機的であり、長期国債の利回りは1%
台と超低水準であるのに、マネーは株式投資に向かうことはありません。
 日本の国債の主な買い手は銀行や生命保険会社です。つまり、預金や保険契約を通じた個人のお
金が間接的に国債市場を支えているのです。
  一方で、企業は傷んだ財務基盤強化のためにおよそ5兆円規模の資金調達を必要とし、*公募
増資や転換社債の発行が相次いでいます。結果、それがまた株価の低迷を招くといった悪循環の罠
に陥り、歯車が逆回転を始めたのでしょうか。。。

そう言えば、IMF(国際通貨基金)のコメントに“少子高齢化の進む日本は早急に法人税率を
27%まで下げ、消費税を10%にしないと国として立ち行かない”とありました。
もしも、法人税率を27%に下げ、税金の代わりに開発研究費や設備投資、従業員の給料に回
すことができたなら、企業の競争力向上と、消費に対する影響はどの位になるのかな。。。
もしも、個人金融資産1400兆円の1%14兆円が株式市場に流れたなら、その波及・乗数効
果はどれほどになるのかしら。。。

*企業が新たに株式を発行し資金を調達しようとするため、既存の株主の持ち分が目減りし、配当も希薄化され結果的に株価の下落に繋がることが多い。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今日から始める生活達人 vol.33】

『2つの企業の3.11』

text= Hatsue Hiraga
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「3.11」は日本人にとって忘れ難い符号として長く深く刻み込まれることでしょう。
ちょうど1年前、2010年の同じ「3月11日」も日本に大きな衝撃が走りました。

【3月11日 AFP】トヨタ自動車の大規模リコール(回収・無償修理)の影響で所有する車の評価額が下落したとして、
米国のトヨタ車オーナー800万〜1000万人がトヨタを相手取って集団訴訟を起こした。
賠償額は最大300億ドルに上る可能性もあるという。 1000万人と言えば、アメリカ合衆国の人口約3億人の3%強にも当たる。
賠償額は全体で最大2.7兆円にも上る可能性


 自動車業界の覇者 「世界のトヨタ」はどうなるのか。
モノ作り日本への信頼・ブランドイメージは・・・、日本人としては忸怩たる思いの頃でした。
1年後、米運輸省は訴訟原因となったアクセルの電子制御システムとフロアマットの双方に
欠陥はなかったと、最終調査結果を発表し、トヨタは急加速問題に勝訴しました。

 2011年「3月11日」東日本を襲った大震災は原発事故を誘引し、
電力の雄「東京電力」の根幹を揺さぶり、危機は現在進行形で続いております。
奇しくも社運を左右する「3.11」災厄に見舞われた2つのビックカンパニーですが、
危機管理・リスク対応や業務管理はどうだったのでしょうか。
トヨタの「欠陥は無かった」は、常日頃の結果がもたらした「あたりまえ」なのでしょう。

 『ハインリッヒの法則』には、
“1つの重大事故の背景には、29の小事故、
300の障害のない事故がある”とあります。

 原発事故は大震災を引き金(Peril)として
起きましたが、その陰でHazardの
管理はどうだったのか。。。

 日頃の業務の中にある小さな
「あたりまえ」は大丈夫ですか。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今日から始める生活達人 vol.34】

『がんではない。。。』

text= Hatsue Hiraga
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 「あなたのがんはこの保険の支払い対象にはなりません。」「子宮頸(けい)がんは上皮内新生物で、
がんではありません。」せっかく加入していたがん保険なのに、降りないなんて。。。

 ひと頃、子宮がん検診を呼び掛けるCMがずっと流されておりましたが、その「子宮がん」
検診が本当は「子宮頸がん」検診であって、「子宮体がん」検診ではない。かつ、私たちが癌
と思っていた「子宮頸がん」のほとんどは「上皮内新生物」に分類され、いわゆる*がん(悪性
新生物)とは区別されております。

 上皮内新生物はがん(悪性新生物)と混同しないよう、上皮内癌という言い方を避けているよ
うです。つまり、上皮内新生物は、がんではないので、がん保険支払いの対象とはならない。。。

 悩ましいのが「がん」と「上皮内新生物」の違いです。

 「がん」は他の組織との境界に浸潤(侵入)し、身体の各所に転移し、増大、再発もある腫瘍。
「上皮内新生物」は一般的には浸潤、再発、転移の可能性のないものとされ、世界保健機構(WHO)
の設定した国際疾病分類第10版(ICD10)では、C00-D48新生物(内D00-D09上皮内新生物)
と、悪性新生物・上皮内新生物を分けて明記しております。

 ただし、一口に「子宮頸がん」と言っても、「悪性新生物の頸がん(5種類)」と「上皮内新生物
の頸がん」両方あるもの、「乳がん」「大腸がん」と言われても、「乳房の上皮内癌」「大腸粘膜癌」
は「上皮内新生物」に分類されており、一般人には判断が困難です。

 更に、「がん保険」の支払い基準をみても「上皮内新生物」もがんとみなし支払いの対象とする会社、
ICD10に準拠した分類を採用し、がんと上皮内新生物では異なる支払い額の会社、独自の支払い基準を
採用している会社とまちまちです。悩ましい。。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今日から始める生活達人 vol.35】

『どちらにしても』

text= Hatsue Hiraga
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 「税負担(社会保険料値上げ)で行くべきか、赤字国債で賄うか?」税と社会保障一体改革は、
2010年半ばまでに消費税率を10%に引き上げる方針を打ち出したものの、一向に展望が
開けません。

 社会保障給付は全体で約100兆円。内、高齢者向け給付は
総額で70兆円。保険料収入だけでは賄いけきれない不足分を
国と地方の税金で穴埋めされ、国の歳出の最大項目は、
社会保障関係費の28.7兆円です。

 2011年度は高齢者3経費(基礎年金・老人医療・介護)
だけを取っても10兆円の不足が見込まれております。
この不足分を捻出する方法としては3つです。

@消費税を早急に上げる。それも最低でも5%以上
A赤字国債を発行
B社会保障給付の削減

 過去の日本の選択肢はAでした。その結果世界でも突出した
政府債務を抱え、国債償還・利払い費といった借金返済が財政の
硬直化を招きました。また、高齢化による預貯金の取り崩しが強まり
国民が国債を買い支える(政府債務を肩代わりする)構図が崩れれば、国債需給が悪化し海外
の買い手に委ねざるを得ません。当然、今の低金利のままでは買い手はありません。

◎金利の上昇→利払い費の増加→予算のほとんどが国債費に→社会保障関係費の縮減
どちらにしても、痛みは同じ。先延ばしこそが、負のスパイラル、負担増を招きます。
◎金利の上昇→企業経営の重し→企業業績悪化→景気後退→消費低迷・雇用不安
  こんな図式も怖いのですが。。。             


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今日から始める生活達人 vol.36】

『外 貨 投 資』

text= Hatsue Hiraga
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 このところの円高は対ドルで3月17日に付けた1j76.25円の最高値を窺う勢いで、
外貨預金が伸び、6月末の残高は5兆円を超え、過去最大とのことです。

 外貨に投資する目的は、日本では得られない高い金利(インカムゲイン)と為替差益による
値上がり益(キャピタルゲイン)狙いです。対ドルで見ると現状の金利は米国の金融緩和政策(Q
E2)もあり、金利そのものは日本とさほど変わらず、米ドルではインカムゲインのうま味は
乏しいとのことで、すわ、高金利通貨へといっても、逆を返せば高金利国は金利を上げなけれ
ばならない程インフレ率も高いと言えます。このような国の通貨は将来的には円高に向かう可
能性が高く、折角の高金利が為替差損で帳消しどころかマイナスになるリスクも潜みます。

 日本以外の各国は資源高、金融緩和により溢れたマネーが行き場を探し、インフレ圧力が顕在
化する中で利上げが続いております。インカムゲインを狙うなら表示されている金利だけを見
るのではなく、インフレ率を引いた実質金利の高い通貨を選ぶことです。

 為替差益狙いのキャピタルゲインにしても、外貨購入時より、円高に向かうのか円安になる
のかは不確定です。例えば、1豪ドル82円、為替手数料1円のときに利回り4%の5年定
期に預けたとすると、5年後の損益分岐点は約68.22円となります。

 将来何処までの円高に耐えられるか、損益分岐点を予め確認しておく必要があります。



 キャピタルゲイン狙いであれば、予め満期の定まった商品よりも外貨MMFの方が、
機動性、換金性と為替益への課税において有利といえます


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今日から始める生活達人 vol.37】

『家 計 に 例 え る と』

text= Hatsue Hiraga
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 日本の一般会計予算を家計に例えると、税金による収入(家計の年間収入)は40.9兆円、
それに国債発行額44.3兆円(借金)を足してようやく成り立っている。

 2009年度以降は税収より多額の国債が発行され、いわゆる
赤字国債の累計は1000兆円。日本は借金(多額の国債発行)を
しなくてはやっていけない家計のようなものです。

 では、44.3兆円の借金は何に使われるのか?
歳出の中で最大のものは社会保障関係費の28.7兆円、歳出の
3割強は年金・医療・介護・生活保護等といった形で還元されて
おります。実はこの社会保障関係費の28.7兆円の4割超、
※12兆円が赤字国債によって賄われているとの試算があります。

 厄介なのは、社会保障関係費は毎年1兆円以上の自然増を続け、
このまま行くと、国債発行でも間に合わない状況です。

 歳出の2番手は国債費、借金返済のための支出です。

 どう考えても、収入以上に借金を繰り返さなければ成り立たない
家計の行く末は想像に難くありません。見方を変えれば、過分な社会保障制度を先取りし
、 赤字国債という借金を次の世代につけ回しているとも言えます。

 秋風が吹く頃になると、来年度の予算編成も本格化してきます。「税と社会保障の一体改革」
は元より、高齢化率世界一の日本の将来像をどう描くかは、生活者1人ひとりにとっても喫緊
の課題です。混迷するギリシャは対岸の火事でしょうか。。。
痛みを伴う負担は先延ばしになるほど大きいものです。

※2011年9月6日 日本経済新聞「経済教室」 関西学院大学 上村敏之教授執筆より



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今日から始める生活達人 vol.38】

『生 命 保 険 料 控 除』

text= Hatsue Hiraga
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 サラリーマン諸氏にとってはそろそろ年末調整の時期ですが、この際の生命保険料控除が
平成24年以降大きく変わって来ます。(24年の年末調整や平成25年度確定申告から)
 現行の生命保険料控除項目は、「一般生命保険料控除(医療保険や介護保険も含む)」と
「個人年金保険料控除」の2種類でしたが、平成24年1月1日以降に締結した保険契約につい
ては、医療保険や介護保険などは別枠で「介護医療保険料控除」として新設され、新たに
所得税で最高4万円、個人住民税は最高2.8万円が控除となります。



 つまり、@既に死亡保障も介護も医療も個人年金も全部加入済みの方にとっては現状通り
で変更はありません。A死亡保障と介護・医療保険は加入済みだが、個人年金だけはこれか
ら検討の向きには、今年中の加入の方がお得と言えそうです。
 逆に、B死亡保障と個人年金は加入しているが医療保険や介護保険は未加入という方は、
来年以降の加入の方がお得かもしれません。
 いえいえ、単に保険料控除だけに目を奪われてはいけません。明日の“まさか”に備える
のが保険ですし、加入年齢にも注意が必要です。とは言え、ここまで来ると保険の加入や見
直しを検討の方には悩ましい限りではありますが、くれぐれも総合的に判断して下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今日から始める生活達人 vol.39】

『高 齢 社 会 の 影』

text= Hatsue Hiraga
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 厚生労働省発表の平成23年度「大学等卒業予定者の就職内定状況調査」の厳しい現状に、
若年層失業率9.2%と相まって、言葉を失う思いです。



 世界の失業者は2億人超と言われ、若年層失業率2桁台の欧米に比べれば、日本はまだまし
な方で、米国のように若者が中心となった経済格差への抗議デモはおきないのでしょうか。

 国立社会保障・人口問題研究所の試算によると、2030年には日本の全有権者のうち35歳
未満の有権者割合8.1%に対し65歳以上有権割合は37.4%とのことです。
そうすると、“高齢化社会の政治の関心が「少数の若者」より「多数の高齢者」に向かいやすい”
(プレストン効果)という現象は否めないでしょう。
◆ 何故、非正規社員というだけでこんなに給料が違うの
◆ 税金と社会保険料を引かれると手取は年金や、生活保護給付より少なくなる
◆ 年金なんて貰えると思わない

 高齢者や大人たちの利益が守られる一方、若者が割を食っている。そう思う世代が増えて、
良いわけはありません。

 『年金開始年齢68歳引き上げ』にしても唐突な感がありますが、良く見ると割を食うのは
40代以降で、団塊の世代を頂点とした年金受給層は「年金逃げきり世代」と揶揄されます。
世界最大の赤字国債のツケも、毎年1兆円近く膨張し続ける健康保険給付の辻褄も次の世代に申
し送りでは日本の未来は暗澹たるものです。

 私達オトナは今こそ「米100俵」の気概で、負担増を受け入れ、将来世代の雇用や所得を生
む経済成長の足がかりを必死に模索すべき時なのではないでしょうか。そうでなければ、日本の
高齢社会そのものが成り立たないのでは。。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今日から始める生活達人 vol.40】

『絆』

text= Hatsue Hiraga
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 昨年暮れ、あるニュース番組で「どういう世の中になってほしいと思っていますか?」と、
様々な国の国民に街頭インタビューしておりました。
アメリカ、中国、ブラジル、ギリシャ、日本・・各国固有の経済問題、社会問題を抱えていますが、
不思議なくらい答えは共通していました。それは、
「人と人とが助け合える、人と人とが深いかかわりをもてる世の中・・・」
国や環境が異なっていても、人がしみじみ思うことは同じなのでしょうか。
何かほっとして、暖かい気持ちになりました。

 2011年を表す漢字に選ばれたのは「絆」でした。
2位の「災」3位の「震」パンドラの箱は開かれてしまっても、
最後に残ったものは「絆」だったのでしょう。
「絆」とは、糸の半分を互いに持ちあい繋がっている状態、
断つことのできない人と人との結びつきを言います。


 長年携わって来ました「生命保険」は助け合いの精神に基づく、
安心の提供です。



4年前より加わりました「IFA (Independent Financial Advisor証券仲介業)」は
個人の自助努力をサポートするものです。
この両輪が揃って、始めてライフファイナンシャルプランが完結します。
人と人との絆のビジネスに嬉しみと使命をかみしめつつ、FAITH&FACE
(お客様の立場に立ちお客様と向き合う)をモットーに、今年も新たな出会いと、 多くの絆を夢見ております。

年初にあたり、皆様とご家族のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

 本年もよろしくお願い致します。