【音でつづるマイストーリー】
第四回「高橋悠治/ピアニスト」
text= SHINOBU AMAYAKE
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「高橋悠治/ピアニスト」
小学生の頃、バッハのレッスンのお手本のつもりで買ってもらったレ
コードがたまたま高橋悠治さんの演奏だった。
聞いたことのないタッチ、音の粒立ちに大変なショックを受けた。
他にも「世界の巨匠」と呼ばれる人たちのレコードも色々買ってもらっ
て聞いていて、周りにも当時の先生やすごく上手に見事にピアノを弾く
人は色々いたけれど、その誰ともほど遠いタッチだった。
当時、何がどうなってるのかまったくわからなかった。
一つ一つの音の存在が必然に聞こえた。
幼い私は「バッハはこう弾くものなのかな?だとすると全然わからな
い・・・」と思った。
後に高橋悠治さんというピアニストはバッハ以外でもそういう弾き方を
する人なのだ、と、知るのだけど。
ピアノの鍵盤88鍵全てを分け隔てなく、大切に弾く。
10本の指全て分け隔てなく丁寧に弾く。
(これらは人体の仕組み上、実に難しい!)
曲への敬愛、楽器への敬愛を強く感じる。
多くの表現者は、ともすればその方法を通して「自分自身」を表現しよ
うとする。
それはそれで間違っていないし素晴らしいこともよくあるけれど、自己
愛にうんざりすることも少なくない。
彼の演奏からは「曲の素晴らしさ」「ピアノの素晴らしさ」を表現しよ
うとしているように感じる。
そしてその解釈、方法に「自分自身」が現され、結果として大変個性的
な演奏になる。(のだと思う)
先週までしばらく北欧に行っていた。
ノルウェーのフィヨルドを眺めながら、iPodで高橋悠治さんの
「水の反映/ドビュッシー」を聞く。
粒立ちのいい丁寧なドビュッシーが、フィヨルドの静かなさざ波に反射
する光とゾッとするほど重なり合った。
「水の反映」がどんな曲だったのか、改めて思い知った。昔の自分の雑
な演奏が恥ずかしい。
(意外に思われるかも知れませんが、実は仕事以外で音楽を聞くことは
ほとんどありません。旅先でもごく希です。この時は無性に聞きたくな
りました。フィヨルドが音を呼んだように思います。)
これだけ言っておきながら、実はまだ高橋悠治さんの演奏を生で聞いた
ことがない。(汗)
録音物と、TVの特集などでの映像のみ、だ。
もう随分ご高齢になられたけれど、今もコンサート活動をなさっている。
スケジュールを調べて、是非近日中に高橋悠治さんの生音に触れたいと思う。
今から次回の予告をしておこうと思う。今回からの流れもあるので・・・
次回は「グレン・グールド/ピアニスト」について書きたいと思っている。
グレン・グールドがもし現代にいたら、というテーマで書いてみたい。
文/天宅しのぶ(あまやけ・しのぶ)
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■天宅しのぶプロフィール
京都市生まれ。父親が囲碁棋士という数奇な家庭環境の中で育つ。
幼少の頃から音楽の英才教育を受け、同志社女子大学音楽学科に進学後、
レストランなどでピアノを弾くアルバイトを始める。この頃から「ジャズ」にも目覚め、
多くのライブ活動に没頭。卒業後は任天堂に就職、スーパーファミコンなどの
ゲームBGMを多数作曲する。
退社後、上京してからしばらくはジャズヴォーカルに専念。現在はプロの
ジャズヴォーカリストとして銀座・六本木・赤坂などのラウンジやライブハウスで
毎週ライブを行っている。また多種多様な音楽をクリエイトする音楽制作会社
「AMKミュージック」の代表を務める。音楽の持つ「力」でそれを聴く人々を
幸せにしていく、という志を持つ。天竺バントのヴォーカルでもある。
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第1回 となりまちのおんなのこ
第2回 へなちょこブギ
第3回 「メヌエット」(アダム・クリーガー)
☆ 音職人の風景 第1話〜第8話 ・・天才音楽家が若き日々を繊細なタッチで振り返っています。
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天宅しのぶHP
・ジャズボーカリストとしての天宅さんのホームページです♪
■AMKミュージック業務内容
○任天堂DS等のゲームBGM制作
○携帯電話の内蔵着信メロディ制作
○各種音楽データ制作
○声優・ミュージシャン演奏手配・録音など
■実績
Docomo=N902iX-HighSpeed
Docomo=N703iD(佐藤可士和モデル)
の両機種の全内臓着メロ制作
au=W52SH 内臓着信メロディ制作
au=MEDIA SKIN(吉岡徳仁モデル)
任天堂DS
「ポケモンレンジャー パトナージ」BGM制作
「ミラクル小学1年生」(学研)BGM&効果音制作
■天宅しのぶ得意技
「モノのイメージを顕す曲作り」
任天堂の入社試験。
「絵を見て30分以内にイメージに合う曲を作って楽譜を作る」
彼女の場合、絵を見て、パッパッパッパ、と音が浮かぶ・・。
こういう能力にずば抜けている。
例えば携帯電話の音作りの実際のお仕事では
携帯のデザインコンセプトを聞いて、実際携帯を触り、眺め、
イメージを右脳でつかんでそれを音にするのがまず速い。。
それを担当者が聞いて「もっと丸い音」とか「もっと深い音」などと
いう要求(イメージ)を拾い修正を加えることがさらに速いのである。
曲作りW速・・・とでもいいましょうか。。