新・会計羅針塾 2008
【GCC新・会計羅針塾】 from 新価値通信BE☆SEE 第4号


炎のプロジェクト・ドライヴィング・パートナー
斉藤厚税理士事務所 斉藤厚さんによる「とっととお金にしよう会」レポート

text= Atsushi Saito
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Dr.とっととの新・会計羅針塾!

 皆さん、お楽しみ様です!
なんプラプロジェクト・齋藤厚税理士事務所の齋藤厚です!

 ヘイズ銀座GCCの中でやらせていただいている、「Dr.とっととの新・会計羅針塾!」も5回が終了し、7月から次なる段階へとシフト致します。

 税務の問題は「知っているかどうか?」という問題が多いです。
でも、「税務の問題を知らないということを知っていながら」
このままで大丈夫だろうか?という不安を持ちつつ事業を進めている方が多くいらっしゃいます。まるで重い荷物を背負いながら、嵐の中を足場の悪い山道を歩いているようなものです。
だったら、私の方から情報提供させていただこう!というのが、そもそもこの「とっとと会(事業をとっとと金にしよう会:開設当初の名前)」の趣旨でした。

 個人事業主の方を対象に行ってきましたが、ヘイズにはコンサル系でしかもおひとりか少人数で事業を進めている方が多いので、初期の段階では税務の問題はそれほど絡んではきません。ただ届出関係は知らないでいると痛い目に遭う場合もあります。

 やってみると、私が想像していた以上に「知らない!」という状況でした。「開業届?青色申告の承認申請?」。

でも、普通、一般の人は知らないものです。だから私たちのようなプロがいるのです。実は税理士の賠償問題で最も多いのは消費税の届出関係なんですよ。だから重要なのです。この点だけでも、「とっとと会」は開催した意味があるなと思いました。

 ですが、「Dr.とっととの新・会計羅針塾!」は税務の話にとどまりません。話は税務から会計へとシフトしています。
税務・会計というと面倒くさい、分からない、一年分をまとめてやる、税金の計算を行うもの、という認識があるかと思います。確かにそうだと思います。

でも本来会計は、事業の発展・成長に役立てるものだと考えています。
目指すところ、今いるところ、理想とする姿とのギャップ、これらを金額という「はかり」で現すことで、次なるアクションプランを想像するツールと考えているのです。

であれば、タイムリーに帳簿付けを行う必要が出てきますが、帳簿付けはお金を生みません!なんといっても力を入れるべき所は営業です!

ですから、帳簿付けは税務上の条件をクリアしながらも極力省力化できる方法を考え、
経理まわりの整理も含めて、全ては事業の発展・成長のために戦略的にデザインしていく。
「Dr.とっととの新・会計羅針塾!」はそのような場にしていきます。

 活動は随時ご報告させていただきます。ご興味のある方はぜひご連絡ください!

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 税理士 齋藤 厚


【GCC新・会計羅針塾】from新価値通信BE☆SEE 第5号

text= Atsushi Saito
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Dr とっととの新・会計羅針塾!


皆さん お楽しみ様です。

なんプラプロジェクト・齋藤厚税理士事務所の齋藤厚です!
7月から6回シリーズで「創業者のための会計講座」を開始しました!
毎回少人数のゼミ形式で行っていますが、今回はヘイズ会員以外の方のご参加も得て10名のスタートとなりました。
すでに事業を始めている方がほとんどですが、その事業に弾みを付けるためにも、現在の自分の棚卸しをする良い機会にしていただけたらと思っています。

現在私は厚木市主催の起業スクールのお手伝いもしています。
そこで感じたことは、なんとなく「何かやりたいなぁ」と漠然て思っている方が多いということでした。

もちろんこのような方はなかなか創業には至りませんが、一方ですでに事業を開始している方の中にも、どこに向っているかが明確ではなく、波にのっているつもりが、流れに流されている方が少なくありません。
開業してしばらく経ってから会計事務所の門を叩きに来る人などに良く、本当に良くみかけます。

その人達に共通していることは、ひとの話を聞こうとしないこと。
なんでも安くあげることが優秀な経営者と勘違いしていること。
だから、平気で「脱税」の依頼などしてくる人もいます。
「脱税」は犯罪ですよ。
加担すれば税理士も資格を剥奪されます。
もちろん断りますけど、正直、「税理士をなめとんのか!」と思ったりします。

でも、結局、そのくらい基本的なことを知らないということなんです。
会社の設立から税務・会計まで知人などに格安で依頼していたりするので、会社の状況も取引のルールも軽視する傾向があります。
確かに一時的に売上を爆発的に上げる人も中にはいますが、総じてビジネスにリアルさを感じられない人が多いように思います。

お金は使わなければ入ってきません。
また、このような人たちに限らず、会計事務所の使い方、あるいは会計事務所との付き合い方を知らない人が多いように思います。
会計事務所には何ができるのか?何をしてくれるのか?そのことを知って付き合えば、会計事務所を良きパートナーとして現すことも可能だと思います。
そのような意図をこめて、あと5回走ります。私が目指していることは、『会計で社長を元気にする!』『会計で創業者を強くする!』ことです!


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炎のプロジェクト・ドライヴィング・パートナー〜
齋藤厚



【GCC新・会計羅針塾】from価値通信BE☆SEE 第6号

新・会計羅針塾!創業編

text= Atsushi Saito
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 8月8日に7回目を開催しました。オリンピックの開会式とぶつかったにも拘わらず10人の登録のところ
4名の方が参加しました(もっとも、全て終了し、1時間以上掛けて帰宅しても、
日本の入場はまだまだでしたけど・・・)。


 今回は講義の中で、2005年版新規開業白書から「創業の実態」のアンケート結果について解説をしました。
いくつかご紹介しましょう!

1.   創業の動機はなんだと思いますか?

2. 開業費用はいくらくらいでしょう?またその資金の調達先はどこでしょう?

3. 開業に当たって相談する相手は誰だと思いますか?

4. 開業して苦労している点はなんでしょう?

5. 廃業企業の特徴はなんだと思いますか?



1.は「仕事の知識・経験や資格を生かしたかった」「自由に仕事をしたかった」
「自分の技術やアイデアを事業化したかった」という順でした。
この結果からその業界での勤務経験がある分野での創業が多いことが分かります。
もちろん全く未経験の分野での創業もありますが、斯業(しぎょう:この分野の事業)
経験年数が短いほど廃業確率は上昇しています。

2.について、中央値は780万円。1,000万円未満での開業が全体の58.7%。
業種別に見ると、医療・福祉が2,500万円、飲食店が1,000万円、対個人サービス業が845万円、
小売業が780万円といった感じです。
そして自己資金を当てている創業者が大半です。自己資金の比率は重要です。実際、
自己資金額が少ないほど廃業確率は高くなります。
開業するのを一年待ってでもしっかり自己資金を創るべきだと思います!

3.は「同業の経営者」「親、配偶者など家族」「異業種の経営者」「知人、友人」そして
その次に「税理士・会計士」となっています。専門家のアドバイスを受ける人が意外に少ないのですね。
そのせいでしょうか?開業後「経営者として不足していたこと」では「経理・人事・総務などの知識」
と答えている人が圧倒的に多くなっています。

4.は業種を問わず「顧客開拓」「資金繰り」「人材の確保」となっています。
「資金繰り」「業界の低迷」などは、準備段階で良く検討しておけば
避けられる可能性の高いものだと考えられます。

5.は従業員数・開業資金など規模が小さい企業の廃業確率は高いことが確認されています。
俗に小さい企業ほど潰れにくいと考えられていますが、この分析ではそうではなさそうです。
また、FC加盟している企業の法が、加盟していない企業に比べて廃業確率が高い分析があります。
その傾向は、対個人サービス業や飲食業で見られます。
でも、それ以外の業種では廃業確率が機加盟企業よりも低い傾向にあるんです。
FC本部の指導力が廃業の要因になっていることも充分考えられそうです。



 アンケート結果にとらわれる必要はありませんが、傾向を知っておいて損はないでしょう。
いずれにしても準備が必要!『なにがなんでもPLAN→DO→SEE!』
『きっちりレコーディング(記録)!』の『なんプラ・きちレコ』をベースに、
税務署のためではない、経営者のための会計をお伝えしていきます!



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炎のプロジェクト・ドライヴィング・パートナー〜
文・斉藤厚(さいとう・あつし)



【GCC新・会計羅針塾】from新価値通信BE☆SEE 第7号

9月度 新★会計羅針塾!創業編

text= Atsushi Saito
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皆さん お楽しみ様です!
なんプラプロジェクト・齋藤厚税理士事務所の齋藤厚です!
今回は9月12日に8回目を開催いたしました。

4名の方のご参加を得ておこなったことは、
まず前半は、「事業の具体化」という視点からSWOT分析を一歩進めた「SWOTマトリックス」→「目標シート」「創業マップ(バランス・スコアー・カード)」の解説です。

そして後半は、「決算書の読み方」という視点から、貸借対照表と損益計算書の関係、利益計画作成のための変動損益計算書の説明です。だいぶ会計っぽくなってきましたね。
また、その際、元国税調査官の知人から教えていただいた決算書の調査POINTを「決算の品質アップ」という視点で説明させていただいたのですが、皆さんかなり興味をお持ちのようでした。

 損益計算書はいわば通信簿のようなもので、「利益」という企業の成績を示したものです。これに対し、貸借対照表はその「利益」の正体を示すものであり、また、企業が「おぎゃぁ」と産まれてから今までの軌跡が全て詰まっているものということもできます。なぜなら貸借対照表を構成する勘定科目は社長の意思決定に他ならないからです。

 また、今回ご参加いただいた皆さんにはこの損益計算書と貸借対照表について、「ここだけ見て!」というPOINTをお伝えしました。皆さんにもお教えしますね!

決算書や毎月の試算表で見るべき所は、
「なんぼ儲かったのか?」ということと
「現預金はいくら増えたのか?」ということです!

 前者は損益計算書の最終利益(税引き後)のことです。ここが黒字になっているかどうかがPOINTです(ただし減価償却費、未払消費税、未払法人税等をたとえ月次であっても考慮する必要があります!)!

 そして後者は貸借対照表の現預金の動きを見ることで分かります。
結局、この二つだと思います。経営者は常に、黒字になっているか?その金額はどうか?そして現預金はどのくらい増えているか?を念頭に置いて経営をすべきです。

 その結果、黒字が続いていけば、貸借対照表の「純資産の部」の合計金額が増えてきて、総資産におけるその割合が大きくなってくれば、金融機関等の第三者からの信用力が高まっていくのです。

 ですから、まずは「黒字化」を目指すことが肝要です!
「なんプラ(なにがなんでもプラン・ドゥ・シー)」と「きちレコ(きっちりレコーディング)」で『黒字化』体質を確立しましょう!

 次回は「経営方針書」「利益計画(数値計画)」「ライフプランニング」の予定です!
 
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炎のプロジェクト・ドライヴィング・パートナー〜

文・齋藤厚(さいとう・あつし)


【GCC新・会計羅針塾】from新価値通信BE☆SEE 第8号

10月度 新★会計羅針塾!創業編「計画」

text= Atsushi Saito
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皆さん お楽しみ様です!
なんプラプロジェクト・齋藤厚税理士事務所の齋藤厚です!
今回は10月10日に9回目を開催いたしました。

 今回のテーマは『計画』です。
ものを作るときは設計図が必要ですが、『計画』はその『設計図』に当たります。
『設計図』無しで闇雲に作り始めても思った通りには出来上がらないでしょう。
もし上手にできたとしても、それはたまたまであり、その結果に至ったプロセスを次に活かすことはできません。

よく、「うちはどんぶり勘定だけどうまくいっている!」とおっしゃる社長さんがいらっしゃいますが、それは社長の頭の中に『設計図』ができているのです。
でも、これから事業を始めようとする方、事業を初めて間もない方、協力者(従業員)と事業を進める方は、ぜひとも『経営計画書』を作成することをお勧めします。

 『計画』を立てることにリスクはありません。
何通りでも創れます。
まずはひとつ創ってみて、それをたたき台として、磨いて磨いて磨いていきましょう!

開業を考えている人で、この『計画』を綿密に立てていらっしゃる方が非常に少ないように感じます。
開業一年で、その半数が無くなる(倒産、廃業、休業など)というのも頷けます。
まずは『夢』を描かなければ何事もなしえませんが、その夢をリアルな形で表現できなければ、ただの『夢』に終わります。

 開業したての方の財務を見ていると、疑問がわく場合が少なくありません。
なぜ、開業当初からそんなにパートさんが必要なのですか?
なぜ、高価な設備や車が必要なのですか?
なぜ、そんなに多くの会合に顔を出しているのですか?→成果を出していますか(その分売上は上がっているかどうか)?
なぜ、連日のように多額の飲食代が出るのですか?→成果を出していますか?

 売上が全く立たなかった場合、いつまで会社を続けていくことができるでしょうか?
キャッシュフローがちゃんと回るような仕組みになっているのでしょうか?
いつの時点でどこからいくらくらい借りる予定ですか・
また、その返済期間はどれくらいで、毎月いくら返済するのですか?経費を払った後でその借金を返済するにはどれくらいの売上が必要ですか?

どうして、あなたの商品・サービスが最初からそれだけお客様に受け入れられ、それだけの売上が立つと言えるのですか?自信を持つことは大切ですが、もっとシビアに見ていきましょう。

 始めたら待った無しです!「ちょっと様子を見て」なんて余裕などありません。
様子は始める前に見ましょう。

  開業は誰でもできますが、経営を続けることはそう簡単ではありません。
『計画』はシビアに作成し、『計画』で恐い体験をしておきましょう。
そうすれば、現実では恐いおもいをしないで済みますよ!

次回は引き続き『利益計画』『収支計画』『ライフプランニング』の予定です!
 
〜あなたのプロジェクトを“ON”にする

炎のプロジェクト・ドライヴィング・パートナー〜

文・齋藤厚(さいとう・あつし)


【GCC新・会計羅針塾】from新価値通信BE☆SEE 第9号

「とっとと会 新★会計羅針塾!創業編」

text= Atsushi Saito
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「とにかく動く!」

 4日に全米各地で投開票された米大統領選は、
民主党のオバマ上院議員が共和党のマケイン上院議員を大差で破り、
第44代大統領になることが決まりました。
政権が交代することになったので半年くらいはごたごたするんでしょうね。

 日本では自民党の支持率はさがり、次は民主党でしょうか?
でも、民主党も一枚岩とは言えず長く続きそうにありません。
ふさわしい人材が出て来るまで2,3年ごたごたしそうです。

 経済も5年いや10年くらい低迷しそうですね。

この間どうしますか?

じっとしていますか?

それもひとつの選択ですが、この先良くなる気配はありません。
こういう時代は来るべき時に備えてとにかく準備をすることです!

「来るべき時」についていろいろ予測はあるようです。私はまずは5年先と思っています。

5年後に自分は何を持っているのか?

次代に何を残していくのか?

現在の自社のどの部分をChangeしていくのか?

を真剣に考えていく必要があります。

そして「来るべき時」には世界にブレークスルーを起こす!くらいのものを提供する準備ができている、
という状態でありたいものです。
それがあれば出資してくれますよ!「時」が来るまでじっとしていて、「時」が来てから考えたのでは生き残れません。
こういう時はとにかく動くということだと思います。


 いきなり小さな話に変わります。

今年に入って私は活動地域を都内に限定し、特に銀座を中心に活動すると決めました。
そして、今月6日に「経営承継」に関するセミナーをHeiz会議室で行うため、
銀座1丁目から8丁目までちらしを3,000枚まきました。
マーケティングのパートナーに手伝ってもらい、私自身は500枚だけでしたが、
1〜3丁目の途中までまきました。結構歩きましたよ。いろいろなものが見られて楽しい経験でした。
今後は趣味にPostingを加えようと思っているくらいです!?

 以前、本住吉あたりでPostingをしたことがありましたが、
その時は50枚まくのに90分くらいかかったのを覚えています。
それに比べると銀座は会社が集中していますね。初日は30分で100枚まけました。平均で45分くらいでした。
ただ、仕事後なので夜遅かったり、また休日にまいたりした時は、
そこに郵便受けがあるのにかぎが掛かっていて入れない!などということがありました。

それにしても弁護士さんの事務所が多いんですね、銀座は!
あと、画廊・アート関係も多いですね。銀座には大きな会社しかないのでは?と思っていましたが、
裏通りなどにはたくさん会社があって、正直びっくりしました。

 以前の経験から、Postingをすると、だいたい1,000枚まくと、
冷やかしも含めて10件くらい電話があり、1件決まる、みたいな感覚がありました。
今回集めたかった人数は8名でしたので、本当は8,000枚まく必要があったのですが、ちょっと期間が短く、
また、私がPostingをする時間をあまりとれなかったため、3,000枚になりました。

 結果は、セミナーへの申し込みはもちろん、冷やかしや苦情の電話も1件もなく、惨敗に終わりました。
アウェイでの初めての取り組みということもあり、様子を見た方もいらしたのではなかったかと思います。

Postingは足腰だけでなく、精神も鍛えられますよ!

来年、1,2,3月も考えています!できるところから『とにかく動く!』を実践していきます!                                   

 
〜あなたのプロジェクトを“ON”にする

炎のプロジェクト・ドライヴィング・パートナー〜

文・齋藤厚(さいとう・あつし)

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■私が以前在籍していたある企業でポスティングをする研修がありました。その中での話しですが、その業界では8万円分のチラシをバラまいて、やっと1人の顧客が得られる・・というのが常識とのことでした。なので紹介料として紹介者に1万円払ってもそっちの方がはるかに安い・・ということでした。(注)飽くまで研修内での話で、それが本当かどうかは定かではありません。(編集部)


【GCC新・会計羅針塾】from 新価値通信BE☆SEE 第10号

「とっとと会 新★会計羅針塾!創業編(番外)」

text= Atsushi Saito
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「毒を吐いて参りました。」


 みなさん!お楽しみ様です!
なんプラプロジェクト・齋藤厚税理士事務所の齋藤厚です!

 今年も残すところ、あと、3週間足らずですが、調子はいかがですか?
今年も大変でしたが、来年はもっと大変な年になりそうです。

 先日、神奈川の相模原法人会の「新設法人説明会」で講演をしてきました。法人会、税務署、税理士会がタイアップをして開催するもので、私に与えられたのは「記帳の仕方」についての講習35分間。毒を吐いて参りました。

 「同じ時期にこの相模原という地で開業なさった方が約30名ほどご参加くださっていますが、一年後半分消えますよ。十年後に残っているのは一社か二社です。これが現実です。どうしますか?」の出だしで、皆さん顔を上げてくださいました。

 テーマの「記帳の仕方」は確かに大切ですが、35分程度ですと毒にも薬にもならないような話しか私にはできません。記帳についてはご自分で勉強してください!と申し上げました。それより、なぜタイムリーな記帳が必要なのか?についてのお話を、この設立というタイミングで是非ともおつたえしたい!ということで始めたのです。

 紀元前3千年のエジプトで単式簿記が行われていました。15世紀のイタリアではヴェニスの民衆の間で複式簿記が行われていました。この頃は税務署、税法や青色申告制度などありませんでした。では何故帳簿を付けたのでしょう?
これって自分を守るためなんです!取引先とトラブルになったとき、帳簿をタイムリーにしっかり付けていれば裁判になったときあなたの権利は守られることが何度もあるでしょう。つまりあなたを守る証拠なのです。

 また、1673年のフランスでは世界で初めて国家的に商法で、事業者の記帳義務と決算書作成義務が「フランス商事王令」というかたちで謳われました。何故だと思います?
当時のフランスは大不況のまっただ中。そこで国王のルイ14世は大蔵大臣のコルベールに、国内の倒産、破産、不況を防げと命じたのです。コルベールは調査しました。その結果、次のようなことが分かったのです。帳簿をしっかり付けている経営者は、破綻、倒産、夜逃げをしない、首吊りもしない。ところが、首吊り、破産、夜逃げをするような経営者の会社は帳簿なんて書いていない。そこで記帳と決算書の作成義務を商法の初めに謳ったのです。

 さらに「破産時に帳簿を裁判所に提示できなかったものは死刑に処す。」という厳罰が用意されており、実際死刑が執行されました。つまり、死刑を担保にしてまでも、事業家に「倒産を防ぐための正しい決算」を求めていたということです。その結果、フランスでは倒産が減り、国力がアップし、イギリスなどの近隣諸国もフランスのマネをして「正しい決算」を義務づけるようになったということです。

 世界経済はますます厳しくなってきます。今日、ソニーが16,000人、人員削減と発表しました。今まで合併合併で大きくなってきた企業も、どんどんリストラをし始めることでしょう。失業者があふれそうです。どうしますか?

 皆さん 出番です!これからは中小零細企業の時代ですよ!こんな世の中に、期待や希望、夢を与えられるような、また、世の中は不況らしいが当社は景気がいい!と言えるような、そんなたくましい会社を是非作っていただきたい!「自分を守る証拠」となり「倒産から身を守る」、『正しい記帳と決算』ができる、そして、勘定科目で考え、数字で話ができる経営者になっていただきたい!その為に、是非、経営のパートナーとして、税理士・会計事務所とよりよい関係を創っていただきたいと思います。

ようこそ!経営者の世界へ!   (坂本孝司著 「会計で会社を強くする」参照)
 

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文・齋藤厚(さいとう・あつし)

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■なぜ会計活動が大事なのかその理由がわかってきました。。(編集部)