運築(うんちく)川柳 2011
  「運築(うんちく)川柳」

“雪溶かす 暖かい心 助け合い”

text= Fusao Kashiwazaki  【BE☆SEE vol.36】

--------------------------------------




 雪国の方には大変に申し訳ないのですが、こちらでは
雪が数センチ積もると、それは大変な事になります。

 車は動かなくなり、歩いても滑っての事故が
続出。

 また家の前の雪かきもも大変なのです。

 その雪かきで、その地域・家の実情まで
垣間見えます。

 それは・・・


    『雪が降ると解る地域・家庭事情?!』


 15日の未明から降り始めた雪が、
朝になると5センチほど積もったでしょうか。

 国道を見ると、大型のトラックがちょっとした
傾斜が登れずに立ち往生しております。

 急な積雪で、チェーンの準備もできなかった
のだと思います。


 我が家の前も、5〜7センチぐらい雪が
積もっています。

 車も出す事ができません。急いで
雪かきです。

 我が家の前だけでしたら、ほんの30分もやれば
綺麗になるのですが、そうはいきません。

 我が家の前は急坂になっておりますので、そちらも
しないと車は動かせません。


 雪かきをしておりますと、隣近所数人の方が
雪かきに出て来ました。

 その方達と一緒に雪かきをします。
ただこの時に、その家の内情が解るのです。


 ご高齢の一人暮らしの方の家は、もちろん雪かきが
できません。

 私より歳も若く、在宅しているのに雪かきに
出てこない人もおります。


  (きっと何か出てこられない理由があるのだろう・・・)


 と思えればいいのですが、まだ人間が出来ていない私。
ついつい腹を立ててしまいます。

 腹を立てても雪が溶けません。隣近所の出て来てくれた
人達と共に、4時間余りで周辺の雪かきを終えて、綺麗に
なりました。

 もちろん、人が歩く道も綺麗に雪かきしました。


  (ふ〜・・・さすがに疲れた・・・)


 雪国の方達の大変さが解ります。


 さて、これだけ積もると雪かきの仕事の依頼も
あるのだろう?と思われると思います。

 しかし、雪かきの依頼は一軒もなかったのです!
それはなぜか?


 団塊の世代も退職して、自宅にいる場合も
多くなりました。

 ボランティアで活動している方もいらっしゃいます。
どうやらその方達が、高齢者のお宅の雪かきをして
いるのでは?と思われます。

 付近の通学路は、そういうボランティアの皆さんに
よって綺麗に雪かきがされております。

 ただ、まだ雪かきもされずにそのままの
場所・地域もあります。

 ひと雪降っただけで、人様々な地域・人間模様が
解るのです。

 それにしても、雪かきの仕事の依頼がない事は、
嬉しい事だと思っております。












“こんな物 そう思いつつ 母思う”

text= Fusao Kashiwazaki  【BE☆SEE vol.38】

--------------------------------------




 先月の末に、地震で倒れた物置に処分の依頼があり
見積もりに行かせていただいたBさん。

 喉頭ガンで治療中で、治療の都合もあって本日
片付けに行かせていただきました。

 物置の中の整理・処分を始めると、まあ次から次へと
いろいろな物が・・・


     『母の残したものは・・・』


 ガンの治療中なのですが、そんな素振りは少しも見せず、
明るく元気なBさん。

 物置の中には様々な物が入っております。Bさんと一緒に見て、
必要な物を最初に抜き出していただきました。


   「そんなに使うものはないから、
          ほとんど全て捨てていいですよ。」


    「おふくろはこんな物まで
             とっていたんだ・・・」


 と言って、中から数点のみ取り出して、後は
処分する事になりました。

 通常は、物置の中には子供が小さかったころの思い出の
品々や写真・アルバムなどが多いのですが、Bさんのお母さんの
場合は違っておりました。

 子供のアルバム・記念品などは、小さな段ボール
一つのみ。後はお母様の物でした。

 調理道具の数々。どうやらお母様は料理が好きだった
らしい・・・

 ご自分の下駄・靴なども履物。それに着物や
ドライヤーなどの美容品。おしゃれでもあったらしい・・・

 そしておびただしい数の本。この本だけは、Bさんの物も
入っていたようですが、それでもお母様が読んだ本もいっぱい。

  (重さで処分料金がかるため、本が一番やっかい))


 う〜ん、珍しい・・・

 今まで数多くの不用品の処分をさせていただきましたが、
ご両親の残したものでこれだけ子供達の物がない事はありませんでした。

 Bさんには詳しくお母様の事はお聞きしませんでしたが、きっと
子育てをしつつもご自分の生活も大切になさった方なのだと想像します。

 人柄の良いBさんの事を見ると、子育てもしないで放任して
いたとは思われません。

 故人の残したものから、その方の様々な人生が見えて
くるようです。

 それにしても、物置の解体作業などもあり、また予想以上の多くの荷物。
予定の一日では終わりませんでした。

 軽トラで5台分の荷物処分になりそうです。
当初見積もりよりかかりそうだ・・・

 金属関係品の処分をお手伝いいただいた
友人にはとても感謝です。

 まだ治療中のBさんですが、元気に完治
するといいな・・・













“どこに聞く?困った時には 便利屋へ”

text= Fusao Kashiwazaki  【BE☆SEE vol.39】

--------------------------------------




 様々な困りごとの依頼がある”便利屋”の仕事ですが、
今までにない珍しいご依頼も時としてあります。

 今日もそんな可笑しな依頼が・・・


  『運転免許証の更新ができますか?・・・?』


 お昼前の事です。ある仕事の問い合わせの
電話がありました。


  「免許証の更新の連絡が来たけど、
          どうすればいいのか解らないんだ。」


    「タウンページを見たら、困った時にはすぐ電話、って
                  書いてあったので電話したんだよ。」


  (ううん・・・免許証の更新は警察だろう?
            問い合わせ先が間違っているのでは?)


 とも思ったのですが、せっかくのお電話です。
どこが解らないのかお聞きしてみました。


   「今年70歳になるので、高齢者の更新に
           なるらしいんだけど、それはどうすればいいの?」


 私はまだ70歳を超えておりませんので、高齢者の免許更新は
どうすればいいのか知りません。

 70歳になったら、高齢者の免許更新の講習会を
受けなければならない事は知っておりました。

 その事をお伝えしますと


   「どこにどう行って講習会を受ければいいの?」


 と、聞いてきます。

 (そんな事は自分で調べて下さい)と言えば良かったのですが、
それは私の性格から言えません。


  『申し訳ないのですが、それは良く解りません。』


 と申し上げると、なんとそのお客様


   「ええ〜・・・便利屋なのにそんな事も知らないの?!」


 と、言うではありませんか。ちょっとカチっと来た私は、


    『解りました。調べますので10分後に電話下さい。』


 と言ってしまったのです。(笑い)

 それから10分後、そのお客様から再度
電話がありました。

 そしてインターネットで調べた内容を
お伝えしました。


  「お住まいの近くの自動車教習所で講習会を受けて、
          その修了証を持って運転免許センターに行って下さい。」


 と教えてあげたのですが、そのお客様重ねて


  「教習所では車の運転もするんだろ?
        俺はペーパードライバーで長い事運転していないんだ。」


   「お宅の車で練習させてくれないかな?
                今日来られない?」


 その日には用事があり、時間が空いてなかった事もありますが、
さすがの私でもここでお断りさせていただきました。


 このお客様、電話での相談は無料であるとでも思ったいた
のでしょうか、相談料金を払う事など一言も申しませんでした。

 今まででも電話での相談で、料金を頂ける事は
皆無です。


   (それなら、最初から断ってしまえばいいのに・・・)


 ですか?

 でも困って電話してくる方です。そのままお断りするのには
忍びないのです。

 何とか役に立てれば・・・それは私の当然の使命だと
思っております。














“建って嬉し 売る時ゃ重荷 マイホーム”

text= Fusao Kashiwazaki  【BE☆SEE vol.40】

--------------------------------------




 この”便利屋”の仕事をしておりますと、
様々な事をお願いされます。

 お客様とのお付き合いも長くなると、
尚更の事です。

 時として、こんな事もお願いされます。
それは・・・


    『誰か買ってくれる人探して!』


 10年近く前からのお客様のDさん。2年ほど前に、
我孫子から引っ越しなさいました。

 息子さんが結婚して新しい家を建てたので、同居する為の
引っ越しでした。

 我孫子の家は、建ててからもう30年以上の
家です。

 我孫子にいらっしゃる時には、庭の植木の手入れや草刈り、
粗大ごみの処分などをさせていただいていました。

 移り住んだ場所は、ちょっと遠くて通って来られる
距離ではありません。


 もうこの家には住む予定はありませんので、不動産屋さんに
賃貸・売却のお願いをしてあります。

 ただ売れるまでの間は、自分で家の管理をしなければ
なりません。

 それで引っ越しなさってからも、庭の草刈りなどは
引き続きさせていただいておりました。


 ただこの家、なかなか売れないのです。立地が悪い!
細い路地の奥にあります。

 その路地は車も通れない道幅です。左右を他人の
家に挟まれております。

 よくこんな場所に家を建てる事ができたな?
と言うような場所です。

 売れなきゃ解体して更地にして、土地だけでも
売ればいいと思うでしょうか?・・・

 ところが、この家を解体する機械が入りません。
トラックなどももちろん入りません。

 解体するにも簡単に解体できないのです。たとえ解体して
更地にしても、車も入れない場所で売れるかどうか?・・・


 それでDさん


  「柏崎さん。だれかこの家を買ってくれる人いない?
                 探してもらえたら助かるわ。」


 専門家の不動産屋さんでも探せない物件を、私が
探せるかどうか?

 顔の広さをかわれての事と思いますが、難しい事
です。


 このDさん以外でも、最近このように誰も住まなくなった
古い家が、処分できないで困っている人が何人かおります。

 都心などですと、専門の地上げ屋さんがおりますが、
このような郊外の住宅地ですとおりません。

 これから、このようななかなか処分できない不動産を、何とかする
「不動産コーディネイター」なんて職業が出てくるかもしれませんね。

 このような不動産を処分する、良い方法はないでしょうか?・・・
















”恰好より 汗に負けての 首タオル”

text= Fusao Kashiwazaki  【BE☆SEE vol.41】

--------------------------------------




 連日暑い日が続いております。外で行う仕事が
多い時期ですので、ちょっと大変です。

 でもちょっとした工夫で楽なる事もあります。
これもその一つの方法なのだろうか?

 その方法とは?・・・


   『外仕事はカールおじさんで!』


 遠い昔、明治製菓からスナック菓子「カール」が発売されました。

 私が覚えているのは故三橋美智也が「いいもんだな〜♪ ふるさとは〜♪」
と歌っている歌と、キャラクターのとても愛嬌のあるカールおじさんです。

 そのカールおじさんの恰好は麦わら帽に首タオル。その当時は
あまりそんな恰好も気にせず、カールを美味しく食べておりました。

 まさか今になって、自分がその格好をするとは夢にも
思いませんでした・・・


 連日の暑さで、外仕事をしていると汗が滝のように
流れ出ます。

 頭にタオルを撒き、長袖シャツで仕事を行い、水分も
充分に補給しながら作業を続けます。

 流れ出る汗をぬぐう暇もなく仕事をしますので、頭に
撒いたタオルもシャツも汗でビショビショです。

 今の時期、一日外で仕事をすると2リットルぐらいの
水分を補給するでしょうか。

 それでもトイレに一度も行く事無く、全て汗として
流れ出るのです。

 仕事を始めた時と終わった時の体重は、3キロ〜5キロ
減っています。

 そのまま体重の減量になればいいのですが、すぐに
戻ってしまうのはなぜだろうか?

 ちょっと出てきたお腹だけでも引っ込めば
いいのに。(笑い)


 そんなに汗をかくものですから、今年はちょっとした
異変がありました。

 首の周りが痒くなってきたのです。そうです何と
首の周りに汗疹ができたのです!

 汗疹と言うと、赤ちゃんの専売特許かと思ったら
大人もできるのですね。

 もう痒くて痒くて・・・

 数年前までは、こんな事はなかった。流れ出る汗は皮膚に
とどまる事無く、す〜と流れ落ちたのに・・・(笑い)

 そこで汗疹予防に、首にタオルを撒く事に
したのです。

 頭には麦わら帽。そして首には
タオル。

 このスタイル、どこかで見た覚えがある?・・・

 そうです、それがあの「カールおじさん」の
スタイルだったのです!

 今年の夏の暑さ対策は、この「カールおじさん」
スタイルで乗り越えます。

 皆様もいかがですか?(笑い)
















”見積もりも 人が動けば 無料はない”

text= Fusao Kashiwazaki  【BE☆SEE vol.42】

--------------------------------------




 我が社ではできる限り見積もりには
行かない事にしております。

 見積もりは無料が当たり前のようになっておりますが、時間をかけて
人も車も動くのですから、実際には無料でできる訳がないと思います。

 もし無料でも、どこかでその経費を上乗せしないと
ならないのではないでしょうか?

 見積もりに行く時間も経費ももったいないので、
出来る限り見積もりには行きません。

 ただ見積もりをしないで、失敗した事もありますので、
絶対に見積もりには行かない訳ではない事もお断りしておきます。

 そしてこのようなお客様も・・・


     『見積もりが面倒だから・・・』


 10日程前に仕事の問い合わせのお電話を
いただきました。

 若い男性の声で


    「庭の草刈りをお願いしたいのですが、
             どのくらいの費用でできますか?」


 庭の広さをお聞きしますと、約6坪〜7坪だと
言います。

 通常の草刈りは一坪約30分です。7坪として
3時間半です。

 それに派遣料・交通費が5キロ毎に1000円
かかります。

 ご住所をお聞きするとちょっと遠い地域
にお住まいでした。

 我が社から15〜20キロはあるでしょうか。

 その事も含めて、おおよその料金を申し上げ
ました。

 するとお客様は


   「それでは検討してまた後ほどお電話します。」


 と、電話がきれました。

 この場合ほとんどが、他の便利屋さんにも問い合わせて
料金の合い見積もりをします。


 その後、このお客様からの電話がありませんでしたので、
他の便利屋さんに決めたのと思っていました。

 ところが三日後に電話があったのです。


   「先日電話で庭の草刈りをお願いした者ですが、
               草刈りをおねがいできますか?」

      「ただしすみませんが予算は1万円以内でお願いします。」


 予算があれば、それに合わせた仕事をします。お客様の
要望に答える仕事が第一です。

 仕事の予定が一週間後まで決まっておりましたので、
ちょっと遅くなる事も申し上げました。

 それでもいいから、と言う事で商談成立
です。


 さてお約束の日時にお客様宅に伺いました。
距離は約14キロ。思ったほど遠くありません。

 庭も約6坪ほどで、予定通りです。早速仕事にかかり、
お客様の予算通りに仕事を済ます事ができました。

 まだ30歳代だろうと思うお客様。昨年まではご自分で
草刈りをしていたのだけど、腰を痛めたそうです。

 恒例の初めてのお客様にお聞きする質問。なぜ
我が社を選んだのか?をお聞きしてみました。


   「便利屋さんは近くにもあったのだけど、
           見積もりに行かないと解らないって言うんだ。」


    「こんな単純な仕事にいちいち見積もりに来て
           もらわなくていいし、その分料金が高くなるでしょ。」


 中にはこのように、「見積もりが面倒だ!」と言うお客様も
いらっしゃいるのですね。

 お客様のご要望に答えられて良かった。
















”失敗を 次に生かして 成長し”

text= Fusao Kashiwazaki  【BE☆SEE vol.43】

--------------------------------------




 14年前に85歳で亡くなった父は、75歳頃より認知症の症状が
出始めました。当時は痴呆症と言っていました。


   (どうしたのだろう?どうすればいいのだろう?・・・)


 そんな戸惑いがあり、多くの間違いも
犯しました。

 そんな間違いを再度犯したくない。せめて
このお客様に対しては・・・


   『介護の失敗を繰り返さない!』


 10年以上のお付き合いのあるMさん。今は一人暮らしで
90歳近い年齢です。

 少し前までは心も身体もしっかりしていたのですが、
最近ちょっと様子が変わってまいりました。

 物忘れする事が多くなり、それを人のせいにします。何か都合の
悪い事があっても、それを自分の責任だとは思いません。

 私が何か注意すると怒ります。けっして謝ることは
なくなりました。

 人の話を聞かず、とても頑固に
なりました。

 私が父の介護をしていた時も、父は同じような症状を
見せました。

 そんな時に私は父と言い争いをしたのです。自分の悪い事を認めず、
人のせいにする。そんな父を激しく叱責したのです。

 何度注意しても治りません。同じ過ちを繰り返します。
その度に私は怒ります。

 まだ初期の認知症の段階では、自分の悪い事は解っていても
素直になれないようです。

 子供に怒られる恥ずかしさとプライドも
あったようです。

 当時はそんな事を考える余裕も
ありませんでした。

 朝7時に家を出て、帰りは夜の10時が通常の仕事でしたので、
その疲れも私にあったのだと思います。

 あの時の事を、後年とても後悔しました。認知症の事を詳しく
知らず、本当に申し訳ない事をしたと思います。

 きっと父も辛かったのだろうと・・・

 Mさんにはそんな過ちを繰り返したく
ありません。

 今までは身内同様に、私がMさんを注意して怒る
事もありました。

 物忘れの多さに注意する事も
ありました。

 これからは、どのような事があろうとMさんを
怒ったりする事はしません。

 何事も話を聞いてうんうんと頷きます。できるだけ
穏やかに話をします。

 間違った事、忘れてしまった事もあえて
指摘しません。

 出来る限り笑顔でお話できたら、と
思います。


 お客様として、どこまでどのように接していいのか試行錯誤
ですが、父に対したのと同じ過ちは繰り返したくありません。

 どこまでできるか・・・

 Mさんには、いつまでも笑顔でいていただきたいと
思います。
















”前例は 通用しない 時代(とき)になり”

text= Fusao Kashiwazaki  【BE☆SEE vol.44】

--------------------------------------




 何かお願いする時に、「昨年と同じように」「前回と同じように」
などとお願いする事があります。

 ところが最近そのような事が通用
しなくなってきたようです。

 それは・・・


   『規則ですので!・・・』


 地域の役員をやっていたり、便利屋の多岐多様な仕事を
やっておりますとお役所関係の用事もできます。

 ある時、毎年開催しております地域の行事で使う駐車場の
使用申し込みに行きました。

 例年ならいつもと同じ行事ですので、いつものような
手続きですぐに済みます。

 ところが、今回の場合は違いました。即座に断られ
たのです。

 なぜか?・・・

 担当の役員さんが変わった事もありますが、大震災の
影響もあるようです。


 また仕事上である施設を使う必要がありました。これも
つい先日までは、何の問題もなく使えたのです。

 ところが、ここでも使用に難色を示されたのです。その時は
何とか使わせていただきましたが、次回からはどうなる事か・・・

 その訳は、その施設を使う業者が悪徳な商法でお客様を騙して
問題になったから、との事です。


 かって「マニュアル人間」と言うのが問題になりました。大手チェーンストア
での接客マニュアルなどが笑い話にも登場しました。

 そして応対するお客様に応じて、接客を変える事が素晴らしい事だ、
とも言われました。

 先日の台風で電車が遅延した時、車内アナウンスのマニュアルにない
放送がツイッタ―で話題になりました。

 規則通り、マニュアル通りに運営・対応するのがいいのか?
お客様・場合によって柔軟に対応するのがいいのか?・・・

 行政機関と民間企業ではまた違うでしょうが、どんな
対応がいいのでしょうか?・・・


 様々な仕事を請け負う「便利屋」としては、どんな状況になろうと
対応できる体制に、今まで以上に取り組む必要があるようです。
















”柔軟に 対応できる 心がけ”

text= Fusao Kashiwazaki  【BE☆SEE vol.45】

--------------------------------------




 お客様からの仕事のご依頼をいただき、
当日お伺いします。

 当初のお約束通りの仕事を始めようとした
その時・・・


   『変更して下さい!』


 コタツの処分のご依頼をいただいた
ちょっと遠くにお住まいのAさん。

 亡くなったお父様の家の家具の処分
でした。

 Aさんに処分するコタツを
お聞きしますと


   「あの申し訳ありません。ちょっと予定が変更で
              他の家具も処分してほしいのですが・・・」


 まあ少しぐらい処分の家具が増えるのなら何も
問題はないのですが、Aさんが指し示した家具は・・・

 何とひと山ありました!タンスが二つ。それにテーブル
などを含めた雑貨が数多く。


   (・・・どうしよう・・・軽トラで来ていない・・・)


 コタツ一つの予定でしたので、乗って来たいた
車は軽のバン。多くの荷物は積めません。


 でも幸いな事に乗って来た軽のバンには、ほとんど
荷物を積んできておりませんでした。


   (後ろの座席を倒せば何とかなるかな?・・・)


 急な仕事の変更ですので、Aさんにお断りして
バンに積めるだけ積む事にしました。

 分解できる物は分解し、小さく壊せるものは
壊し、少しの隙間もなく目いっぱい積みこみました。

 その結果は何とほとんどの荷物が
積めたのです!

 Aさんに喜んで頂いた事はもちろんですが、
最初から諦めないで工夫すれば何とかなるものですね。


 現場に行って、お客様の予定が変更される事はよく
ある事です。

 その場合の対応によって、次が
違ってきます。

 お陰さまで、まだ処分する物が沢山あるそうで、
Aさんから次回の仕事のお約束もいただきました。

 もし約束の仕事と違う事を理由に、お断り
していたら次はありませんでした。

 どんな仕事の依頼があるか、現場で何が起きるか
解らない便利屋の仕事です。

 いつも柔軟な心構えが必要に
なります。